現在、各バイクアパレルメーカーから、様々な防水透湿防風機能を持ったバイクシューズやブーツが販売されています。
冬用のフットウェアで総合的な防寒性能にこだわるのであれば、シューズタイプよりもブーツの方がいいですね。
ただ、ブーツは基本的には革で作られていますので、
手入れや管理に色々と手間が掛かり、面倒だったりします。
今回は紹介する「ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツ」は、
ブーツでありながら大半の生地が革ではなく、ポリエステル素材を使用していて、非常に手軽なブーツに仕上がっています。
冬のフットウェアはブーツにしたいけど、楽に履けて、手入れも楽な物が欲しい……
という方にオススメのブーツです。
目次
GOLDWIN(ゴールドウィン) Gベクター GWM X‐OVERブーツの紹介!サイズ感や履き心地など
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツ
ブラック
画像参照元:GOLDWIN 公式HP
タン
画像参照元:GOLDWIN 公式HP
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの基本情報
■素材:ポリエステルオックス+牛革+人工皮革(Gベクターブーティー)(UPPER 合成繊維、合成皮革、天然皮革 SOLE ゴム底)
■防水透湿フィルム:Gベクターブーティー耐水圧10,000mm、透湿性6,000g/m2/24h
■カラー:ブラック、タン
■サイズ:<足長>25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、27.5、28.0、29.0、30.0(cm) <足囲>3E(やや広め)
■価格:21,780円(税込)
●メーカー説明
ブロックパターンのビブラム®ソールがミリタリーテイスト満点なタクティカルブーツ。脱ぎ履きしやすいサイドファスナー仕様。防水・透湿・防風性を持つ多機能なブーツです。やや広めの3E。※足の爪や小石などにより防水ブーティーや防水フィルムが破損することがあります。伸びた爪は切り、小石などは取り除いてから使用してください。※構造上、ソール交換などの修理はできません。
引用元:GOLDWIN公式HP
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツは手軽で履きやすいブーツ
ゴールドウィンの防水防風透湿機能をもったバイクブーツです。
このブーツはブーツでありながら、その煩わしさがあまりありません。
●ブーツの生地は化学繊維と皮革の組み合わせ
生地の割合で言うと化繊(化学繊維)6割、皮革4割ぐらいです。
メイン生地は化繊のポリエステルオックス生地を使用しています。
つま先やカカト、シューレースホールなどの硬度が必要な箇所には皮革を使用しています。
ポリエステルオックス生地は軽量ながら強度に優れるので、革のブーツのような重さがありません。
また、吸水性も低いので汚れにくく、手入れも簡単です。
ポリエステルオックス生地とは……
ポリエステルは化学繊維名、オックスは生地の織り方を指します。ポリエステルは軽量で、強度があり、吸水性も低いので、靴の生地にぴったりな素材です。オックスは織り方の名称でオックフォードの略です。糸を交互に編んだ平織りの1種で、引き裂き強度や耐久性に優れます。
●足囲のサイズが3Eなので幅広の日本人の足にぴったり
幅広設計のライディングブーツですので、幅広な足の方でも窮屈に感じることはありません。
日本人の足は幅広が多いと言われています。(参考URL:足のお悩み百科)
ですので多くの方に合いやすいブーツだと思います。
3E設計のブーツってあまりないと思うので、ありがたいですね。
●足首周りの生地がポリエステル生地なので足首を曲げやすい
革のブーツはある程度の厚さがあるので、どうしても足首は曲げにくいです。
「Gベクター GWM X‐OVERブーツ」は足首周りが化繊のポリエステル生地で薄いため、
革のブーツよりも曲げやすいです。
シフトやブレーキペダル操作時の操作しにくさが軽減されます。
●履き口が細いため、シルエットがゴツくなりにくく、コーディネートしやすい
ブーツにしては履き口が細身の方です。
そのためブーツカットではない、ストレートタイプのジーンズでもブーツアウトできてしまいます。
バイクに乗るときやそうでないときも、その日の服装に合わせて、
ブーツをパンツの裾に入れるか、外に出すかを選べるため、
コーディネイトの幅が広がり非常に使いやすいです。
ミリタリー調のブーツなので、服装によっては中々合わせづらい場合もありますが、
そんなときはパンツの裾の中に入れてしまえば問題ありません。
2万円もするので、買ったのに服装に合わせにくく、結局あまり履く機会がない……
なんてことが起きたら悲しいですからね。
服装に合わずに使えないということが起きにくいのは嬉しいですね。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツのサイズ感
足長のサイズは普段のシューズより大きめ
僕が購入した「Gベクター GWM X‐OVERブーツ」のサイズは28cm。
普段履いている靴のサイズは28.5cmです。
早速、サイズ感を確認してみましょう。
今回は夏用と冬用の靴下をそれぞれ履いた場合で、確認してみました。
このバイクブーツは基本春秋冬用のシューズですが、防水性を持っているので、夏にも使うことがあるはずです。
●春夏用の薄手の靴下を履いた場合
靴下:モンベル ウィックロンソックス
靴自体が幅広の3E設計なのもあってか、ちょっと隙間があるかな、という感じ。
紐をキツめに縛れば問題ありません。
ただ歩くときはかかとが浮いてしまう感じがあります。
●冬用の厚手の靴下を履いた場合
靴下:モンベル メリノウールトレッキングソックス(一般的な冬用靴下よりもさらに一回り厚い)
厚めの靴下を履いて、ちょうどぴったりという感じでした。
紐もキツく縛る必要がないので脱ぎ履きが楽です。
●普段履く靴下によってサイズを変えるのはいいかも
薄手の靴下しか履かない場合はもう0.5〜1cm小さいサイズを選んでも問題ないかもしれません。
僕は主に冬に使いたかったので、いつも冬に履いているかなり厚めの靴下を履いてぴったりになるようなサイズを選びました。
厚めの靴下を履くとやはりサイズ感は変わってしまうので、1年通して使いたい方には、サイズ選びが難しいですね。
サイズが不安でWEB SHOPで購入する場合はamazonか、ールドウィン公式WEB SHOPがオススメ
●サイズ交換可能なショップで購入しよう
ネットで購入する場合に最も怖いのはサイズ違い。
シューズのサイズは、同じメーカでもシューズによって異なることも多いですし、
足のサイズも人それぞれです。
実際に履いてみないとわからない部分はどうしてもあります。
しかし残念なことに、WEB SHOPによっては、サイズ違いの交換ですらできないことが多く、
困ってしまいます。
僕のオススメはamazonかゴールドウィン公式WEB SHOPでの購入です。
●ゴールドウィン公式WEB SHOP
なぜかというと、その2社は返品の処理が非常に簡単だからです。
特にゴールドウィン公式WEB SHOPはサイズ違いの返品を認めているので気が楽です。
複数のサイズを同時に購入して、自宅で試着した後、残りのシューズをすべて返品、なんてことも簡単にできます。
ただし、残りのシューズの返送料はかかってしまいます。
返送料については、払ってサイズ違いを防止できるのなら、僕は払ってもいいかなと思います。
2万円のシューズですから、ちゃんとぴったりサイズのシューズを選びたいものです。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツのブラックとタンの素材の違い
●カラーによって素材が少し違う
「Gベクター GWM X‐OVERブーツ」はブラックとタンの2種類のカラーがあります。
実はカラーによって使用されている素材が若干異なっています。
シフトガードと靴先、ヒールガードの素材が違います。
ブラックは天然皮革を使用していますが、タンは起毛革(スエード)を使用しています。
どちらも耐久性に優れていますが、傷の目立ち方が異なってきます。
ブラックの皮革の方が艶があるので、きれいな場合は見た目はいいですが、
汚れや傷は目立ちやすいかな、と思います。
タンのスエードは毛が禿げてくると汚く見えてしまうでしょう。
見た目的にはスエードのほうが僕は好きですね。
ザラザラ感があってブーツのイメージによく合ってると思います。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの履き心地
●革のブーツに比べれば足首は断然曲げやすい
足首周りは合成繊維のポリエステル素材を使用しています。
革よりは生地が薄いので、足首は曲げやすく、シフトペダルやブレーキペダルへの入力は
革ブーツよりも断然やりやすいです。
●ただし、ブーツゆえの動かしにくさは、どうしてもある
ただブーツではあるので、どうしても足首の動きに制限があります。
そのためシューズと比べると、シフトペダルやブレーキペダルへの入力にはどうしてもやりにくさはあると思います。
●ブーツ履いたことのない方は違和感に苦労するかも……
特に前傾姿勢の強いSSタイプなどのバイクでは、かなりやりにくさを感じると思います。
ブーツを履いたことのない方で、これからブーツ履いてい見たいという方には、
このモデルはとてもおススメです。
ブーツにしては非常に動きやすいので。
ただ、それでも最初はシューズとの操作感の違いに苦労すると思います。
その点は注意が必要ですね。
●タンの切れ込みが足に当たって不快
タンの切れ込みが深いため折れの部分がくるぶし付近に当たって不快に感じるときがあります。
歩くときなどはちょっと不快なので、これはなんとかしてほしかったですね。
靴ひもの調整で履き心地はかなり変わる
ブーツなので、シューズに比べてどうしても足首周りの可動域は制限されてしまいます。
しかし靴ひも結び方を少し工夫すれば、ある程度の可動域は確保できます。
●一番上のシューレースホールには紐を通さない
足首を曲げたときに連動して動くスネあたりの可動域が確保されるのでライディング時に逆Z字に曲がる足を妨げません。
●足首の上のひもはゆるめる
足首の上のひもをゆるめておくだけである程度足首が曲がるようになります。
●靴ひもを伸縮性のあるタイプに変える
最も効果があるのがコレ。
これをするだけで、脱ぎは履きが断然かんたんになります。
また、ライディング姿勢時の足首の曲げる際の硬さも消え、操作性が向上します。
変えるだけで履着心地が大きく向上します。
デメリットとしては
・足首の固定感の減少
・紐の耐久性が高くない
といったところでしょうか。
※交換する場合は紐の長さに注意です。
ブーツタイプなので紐が長く、紐の長さは160cm必要です。
160cmの紐で伸縮性のタイプは中々ないので、探すのに苦労しました。
●結ぶタイプ
※複数SHOP表示されていますが、おそらく販売されているのは楽天のみです。
紐が良く伸びるので、脱ぎ履きが簡単になります。
またスニーカー用の紐なので、紐をかえるだけでカジュアル感がでます。
一つ上の画像で使用しています。
●ストッパータイプ
※複数SHOP表示されていますが、おそらく販売されているのは楽天のみです。
結ばずにストッパーで固定するタイプ。
かなり値段が安く、お得感があるが、肝心のストッパーの保持力が弱い……
しっかり固定したいなら結ぶタイプの方がいいです。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの防水性
●耐水圧と透湿性は最低限レベル
こちらのシューズはGベクターブーティーを使用しています。
耐水圧10,000mm、透湿性6,000g/m2/24hです。
耐水圧については、出先で降ってきたちょっとした雨なら対応できますが、
雨の中のツーリングとなると、心もとない数値です。
その場合はブーツカバーを付けた方が良いです。
透湿性については、このぐらいあれば普通に履いている分であれば、蒸れが軽減されるかな、
といったレベルです。
低くはありませんが、高くもありません。
●防水構造にちょっと問題あり
いくら優れた耐水圧があっても、構造的に水の侵入を許してしまっては意味がありません。
「Gベクター GWM X‐OVERブーツ」は、どうなのか?
靴でもっとも浸水しやすい場所は、
1.アウトソールとアッパーの合わせ目
2.タンとシューレースホールの間
3.シューズの開口部
です。
●1.アウトソールとアッパーの合わせ目
1については、しっかりと接着されています。
接着跡もキレイです。さすがゴールドウィンといった作りですね。
●2.タンとシューレースホールの間
足首より下はタンとシューレースホールの間は完全につながっていて、隙間がないので、
そこから浸水することはないでしょう。
しかし、足首より上からは隙間があります。
そのため、走行中にレインパンツの裾がずり上がって足首から上あたりが露出すると浸水する場合があります。
この部分はかならず隠れるように締め上げましょう。
●3.シューズの開口部
ブーツなので、丈が長く、開口部をレインパンツの裾の中に収めやすいです。
裾の中に入れてしまえば、そこから浸水するということはないと思います。
ただミドルタイプなので、レインパンツの丈が短いと走行中パンツがずり上がった際に、
開口部が裾から出てしまう可能性があります。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの安全性
●靴先は硬い
靴先には芯が入っているので、ぶつけても問題ない硬さがあります。
●くるぶし部分にプロテクターはなし
くるぶし部分にプロテクターはありません。
一応くるぶしのあたりは、合成皮革が縦にまっすぐ通っていて、ポリエステルオックス生地のみではありません。
ポリエステルオックス生地のみの場所と比べると厚くなっていはいますが、
それでも十分な厚みがあるとは言えません。
ぶつけたときの防御性に不安があります。
●カカトは硬い
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツのその他の機能
●履き口を大きく広げられる
主な素材がポリエステルで革に比べて薄く柔らかいということもあって、
締めているときの履き口は細いですが、
履き口を大きく広げることができます。
そのため、ブーツ自体は細身ですが、とても履きやすくなっています。
●ビブラムソールなので
ソールには深いブロックパターンのビブラムソールを採用しています。
このソールは、さすがビブラム、といったところで、非常に性能が良いです。
そのため、砂利道やぬかるんだ場所などで非常にあるきやすいです。
雨の日の階段など非常に滑りやすい場所でもグリップが効きやすいので、
安心感が違います。
ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの問題点
ソールがステップに引っ掛かるときがある
●ソールのブロックの溝が深いため、ステップに引っ掛かりやすい
メーカーの説明でもあるとおり、ミリタリーテイスト満載のタクティカルブーツ仕様
のため、ソールのブロックパターンの溝が深いです。
ソールには信頼性の高いビブラムソールを使用しており、本格的です。
ぬかるんだ場所や滑りやすい場所を歩くときはとても重宝します。
こういうブーツに履きなれていないと、ソールの溝をバイクのステップの溝に引っ掛けてしまうことがあります。
バイクのステップにも、滑り止めの浅い溝が彫ってあるのが大半ですので、うまく噛み合ってしまうと引っかかります。
バイクから降りるときにステップにブーツを引っ掛けると最悪転倒の可能性もあります。
また、走行中にステップの上で足を動かす場合はステップとブーツの溝が結構引っかかります。
●履き慣れていない人には慣れが必要
このようなソールのブーツに履きなれていない方は、最初の頃は気をつけたほうがいいです。
履き慣れてくれば引っ掛かることもなくなっていきます。
ブーツの底が硬い
●かかとの裏に痛みが
履いていて最も違和感を感じたのが、かかとの裏の感触でした。
ブーツの底が硬いためか、しばらく歩いているとかかとの裏が痛むようになりました。
かかとに体重を預けていると、かかとの裏が痛みます。
このままではとても歩き続けることができませんでした。
ミリタリーやワーク系のブーツということで、底が硬めに作られているのかもしれません。
●対策はソールの変更
そこでインナーソールを変えてみることにしました。
かかとのクッション性が高いインナーソールに変更しました。
すると、この問題は解消しました。
同様の問題が発生した場合はインナーソールを変更することをオススメします。
ちなみに僕が選んだインナーソールはこのソールです。
具合が分からなかったので、類似品を何種類か購入して試してみましたが、
クッション性、かかとのフィット感共に、このインナーソールが一番良かったです。
また、インナーソールは大体が28cmまでの対応でしたが、
このインナーソールは29cmまで対応していたのも良いですね。
まとめ
●ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの良い点
・ほとんどの生地が化学繊維なので、手入れや管理が簡単
・ポリエステルオックスフォード生地は革の比べて薄いので履きやすい。それでいて生地の強度も確保されている
・ブーツとしてはミドル丈で生地が薄いので、パンツの裾をかぶせても、違和感がなく、幅広いコーディネートに合わせられる
●ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツの良くない点
・防水構造に不安な点がある
・くるぶしあたりの生地が厚くないので、転倒時に不安がある
・かかとの底が非常に硬く、痛みが置きやすい。ソール交換必須
今回は「ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツ」の紹介でした。
防寒を考えると、冬はやっぱりブーツが一番です。
「ゴールドウィン Gベクター GWM X‐OVERブーツ」
手入れも管理もかんたんな手軽なブーツに仕上がっています。
また、ブーツとしては厚みが無いので、パンツの裾で隠すこともでき、ファッション的にもコーディネートしやすいです。
手軽にブーツを履きたい方の、冬のフットウェアとして非常におすすめです。
ロングツーリングから街乗りまで、様々なシーンで活躍すると思います。