バイクウェア カジュアルな防寒 テキスタイル オーバーパンツを比較してみた。

今回は2種類のライディング用オーバーパンツを紹介したいと思います。

バイク用のオーバーパンツとは防風防寒防水のために、普段履いているデニムなどの上からさらに履くボトムウェアのことです。

冬の時期にバイクに乗る場合、普通のズボンでは防風が機能なく風を通してしまうため、すぐに身体が冷えてしまいます。

オーバーパンツは防風防寒防水の機能が同時についているものが多く、冬にバイクに乗るなら必須アイテムといっていいものです。

近年バイクウェアにはカジュアルなものが増えてきましたが、冬用オーバーパンツに関してはカジュアルなものは残念ながら中々ありません。

それはオーバーパンツを使用するのがライディング時のみで、バイクを降りればすぐに脱いでしまうからというのが大きな理由かもしれません。

しかしたとえば小休憩のときなどにいちいちオーバーパンツを脱ぎ履きするのは中々めんどくさいものです。しっかりしたつくりのバイクシューズを履いたまますんなりと脱げるオーバーパンツなんて無いですからね。

かといってオーバーパンツを履いたままではちょっとお店に入ったりするのは気が引ける……

せっかくジャケットはカジュアル感のあるものを着ていて、そのままお店などに入っていけるようなデザインなのに、オーバーパンツはそうじゃなくてちぐはぐ感がある……

そんな方におススメなのが、

RSタイチ RSY549  WPカーゴオーバーパンツ

価格16,500円(税別)

画像のカラーはチノベージュ

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 2りんかん モーターヘッド M-21 ライディングオーバーパンツ

価格11,800円(税別)

 画像のカラーはベージュ

の2種類のオーバーパンツです。

一見カーゴパンツにしか見えない両者は現在販売されているバイク用オーバーパンツの中でもかなりカジュアルよりな仕上がりになっています。

 ウェアとしての純粋な性能だけでいえば、上記2種類のオーバーパンツよりも優れたものはたくさんあります。あくまで今回は防風防寒防水の基本的性能は持ちつつ、脱がなくても、むしろ履いたままでも違和感のないようなデザインのオーバーパンツの紹介です。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツの防水 透湿性の比較

2りんかん モーターヘッド M-21 ライディングオーバーパンツ

●レインウェアと名乗れるレベルの防水性!

こちらの特徴としてはまず防水透湿の数値が明記されていることです。

モーターヘッドブランドの独自素材DRUG20000という素材を使用しているようですが、まあいうなればPUコーティング素材です。

・耐水20,000mm ・透湿性8,000㎡/24h

耐水圧20,000mmという数値は、レインウェアとして名乗れるぐらいの耐水圧ですので、高い方と言っていいでしょう。急な雨で難なくやり過ごせることのできる数値です。

 透湿性8,000g/㎡/24h という数値は決して高い数値ではなく、この数値では汗をかいたときなどに蒸れを感じるでしょう。しかし蒸れを感じにくくなる数値ではありますし、ウェア内の蒸気が抜けるのも早く、ボトムが自分の汗でびしょ濡れになるということもありません。

そのためほとんど動かないでじっとしているような環境ならば蒸れをかなり軽減することができると思います。ライディング中など動きのほとんどないシーンでは十分な数値といえます。

 この防水透湿性はポリウレタンフィルムによるものですので、2~3年程度でその性能は失われます。まあ値段もそこまで高いわけではないので、2~3年で買い替えることになっても、もとは十分とれているでしょう。

 RSタイチ RSY549 WPカーゴオーバーパンツ

●こちらは防水性のアイコンはあるが…… 

防水機能耐水圧の記載が無く、どの程度の水圧まで耐えられるかは分からない

一方RSタイチのカーゴオーバーパンツには防水の記載はあるものの、耐水圧の記載はありません。また、透湿性の記載もありません。

ですので直接カスタマーセンターに問い合わせたところ、

以下のような回答がありました。

・生地自体はレインウェアと同様、縫い目をシーリングしているため、ほぼ完全防水といって差し支えない(どの程度の耐水圧を有するかは教えてくれませんでした。)

・オーバーパンツ自体は防水構造を有していないので、生地ではなく裾などの隙間から水が侵入する場合がある。

・このオーバーパンツを履いて雨の中3~4時間連続で走行したが水の侵入はなかった

最後の雨の中3~4時間連続走行したが水の侵入が無かったという回答を信じるのであれば、このオーバーパンツの耐水圧は20,000mm程度はあるのでしょう。

(※追記 RSタイチのモトレックウィンターパーカについて電話でカスタマーセンターに確認したさい、耐水圧10,000mm程度程度の同製品についても同じような回答があったので、

こちらのオーバーパンツの耐水圧も10,000mm以下程度だとみるのが妥当だと思いました。

20,000mmもあったら数値として記載されてるはずだし。)

●モトレックウィンターパーカの記事はこちら!

●透湿性の記載が無い。本当にないのならオーバーパンツとして使用するうえで大きな問題

  そしてもっとも問題なのが透湿性の記載がないことで、素材の機能を示す画像にも透湿が無いことから機能として透湿性が無いのでしょうか?

製品説明欄の機能を記載した箇所に透湿性の記載はない……

しかし防水の項目に載せた画像を見る限りポリウレタン層があるので、機能として記載はありませんが透湿機能はあるのではと思い、これもカスタマーセンターに確認して以下の回答を頂きました。

・透湿性能はある。しかしそこまであるわけではない(どの程度の透湿性能があるかは教えてくれませんでした。)

明確な数値がわからなかったので、ここからは僕の使用した際の感覚をお話しさせて頂きます。

おそらくこのオーバーパンツの透湿性は、1000~3000g/㎡/24h程度ではないかと思われます。

それはまず、

 1.内部の蒸れ方が2りんかんのオーバーパンツよりも蒸れやすいと感じたこと。

 2.暖房の効いた店内を少し歩き回っただけでもウェア内のズボンが汗で濡れてしまい、その後店の外に出ても一向に汗が引いていかず、不快感が増すばかりだったこと。結局脱いで中のズボンを乾かす羽目になった。

透湿性が5000g/㎡/24h程度あれば、歩いていたり運動している最中は蒸れてきますが、止まっていれば徐々にウェア内の湿気は抜けていきます。しかしそれが体感として感じることができなかったので、それ以下の透湿性かなと考えました。

オーバーパンツは、レイヤードすることが前提のウェアですので、内部の蒸れを逃がすある程度の透湿性は必須といってもよいです。

透湿性が無いと、全く動きがなければまだよいのですが、少し歩いたりするだけでもウェア内が汗でびしょ濡れになってしまいます。

例えば暖房の効いた店内に入って歩き回った場合は確実にウェア内は汗でびしょ濡れになります。そしてその汗が乾くこともないので非常な不快感とともに、汗冷えが引き起こされてしまいます。

せっかくそのままでもお店などに入っていけるデザインなのに、これでは本末転倒ですね。カジュアルなデザインを重視しているからこそある程度の透湿性も確保して欲しかったです。

これでは本当にライディング時のみにしか使えないウェアとなってしまって、カジュアル的である意味が半減してしまいます。

個人的には最低でも5,000g/㎡/24h程度の透湿性を付与して欲しかったです。

 ちなみにこの防水性もポリウレタンフィルムによるものですので、2~3年程度でその性能は失われます。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツのプロテクターの比較

2りんかん モーターヘッド M-21 ライディングオーバーパンツ

ウレタンパッドで防護性はあまりない

こちらのプロテクターは膝にのみ付いていてウレタンパッドのようなものが入っています。

プロテクターとしては無いよりはまし程度のものですね。

意外と役に立つのが防寒性で、膝の部分は最も突っ張るので生地が薄くなりそこから冷えるのですが、パッドが入っているおかげで膝からの冷えがかなり軽減されています。

RSタイチ RSY549 WPカーゴオーバーパンツ

●CEニープロテクターを標準装備! しかしある問題が……

こちらのニープロテクターは安心安全のCE規格

こちらもプロテクターは膝のみですがCEプロテクターなので防護性は2りんかんのものよりも全然上です。万が一転倒したとしても、しっかり膝を守ってくれることでしょう。

こちらのプロテクターはCEプロテクターなのでもちろん硬質なのですが、それがちょっとした問題を引き起こします。

それはプロテクターが膝に当たって膝を痛めることです。タイトなデザインが災いして、ライディング時の膝を曲げる姿勢の際、けっこう突っ張ってしまい、大げさに言うとプロテクターが膝に食い込むような形になってしまいます。

もちろんプロテクターの膝が当たる側は布の生地が貼られており、硬質部が直接膝に当たらないようになっているのですが、効果は薄いみたいですね。

僕も履いていてしばらくすると膝のあたりが少し痛くなってきました。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツの品質の比較

2りんかん モーターヘッド M-21 ライディングオーバーパンツ

縫製は少し雑ですね。裾などは縫い目が荒いですし、糸くずも結構ついています。まあ縫い目は裾にしかないので、防水には影響しないと思いますが。

RSタイチのカーゴオーバーパンツと比較してこちらの方が6,000円近く安いのですが、その分のコストカットされた影響が細かいつくりにあらわれているのでしょう。

RSタイチ RSY549 WPカーゴオーバーパンツ

こちらは2りんかんより高いだけあって縫製はしっかりしています。さすがタイチブランドといったところでしょうか。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツの防寒性能の比較

防寒性能についてはどちらも差はないです。

オーバーパンツとしての防寒性能は、中綿にシンサレートのような保温性に優れた綿を使っているわけではないので、特段優れているというわけでもありません。

●実際に使用してみたところ別段優れた素材を使用しているわけでないのに、防寒性は良い

実際に使用してみた感想ですが、体感温度-2~3°の中、1時間程度高速走行しましたが、殆ど冷えを感じませんでした。

ただ、足の裾に隙間ができやすく、そこから冷気が入り込んで冷えてくる感じはありましたね。

 どちらも足の裾にはベルクロの大型フラップが付いていてそれで裾幅を調整するのですが、それではどうしても裾とシューズの間に隙間ができてしまって、長時間の走行では、その隙間から風が入り込み、冷えが始まってしまいます。内側にストームガードが付いていればなお良いと感じました。

 

 それぞれ大型フラップで足の裾の幅を調整するのだが、完全に風の侵入を防ぐことはできない。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツのサイズ感の比較

両者は一見同じ見た目ですが、サイズ感が少し違っています。

以下がサイズ表です。

RSタイチ カーゴオーバーパンツ サイズ表

2りんかん ライディングオーバーパンツ サイズ表

 

●同じサイズではタイチのカーゴオーバーパンツの方がタイト

同じサイズ同士を比較するとタイチのカーゴパンツの方が各所の寸法が短いことがわかります。

特に股下の寸法が短いので、人によっては股間のあたりが突っ張って痛いことがあります。ゆったり履きたいのなら2りんかんのオーバーパンツの方がいいでしょう。

 そのかわり、RSタイチのカーゴオーバーパンツは、股下が浅く、ヒップが小さいので、履いた時のシルエット方がダボ付かなく、きれいに見えます。

●サイズ選びの注意点

サイズを選ぶうえで注意していただきたいのがウエストです。

ズボンを履いてベルトをしていると、通常よりもウエストが+10センチぐらいになるので、それを加味してサイズ選びをすることをおススメします。

窮屈感をなくすために、ベルトはなるべく薄く、バックルが小さいものを付けたほうがいいです。

RSタイチ カーゴオーバーパンツと2りんかん(モーターヘッド) ライディングオーバーパンツでその他気になった事

●シルエットがタイトなので履きにくく脱ぎにくい

どちらもシルエット重視のデザインのため、細身に作られており、履くときと脱ぐときに少し苦労します。

足回りのサイズにたいして、腰回りがちょっときついです。分厚いベルトをしていると股間部のフラップが完全に締まらず、オーバーパンツの一番上のボタンが締められないかもしれません。

なのでこのオーバーパンツを着用する際は薄い布製のようなベルトを着用することをお勧めします。

●オーバーパンツの下に履くパンツは立体裁断がおススメ

どちらのオーバーパンツも立体裁断で可動域が広くなるように設計されているので、普段着のパンツの上からさらに履いたとしてもそこまで動きが制限されません。

僕のおススメはオーバーパンツの内側のパンツも立体裁断のものを履くことです。これにより中の突っ張り感がかなり解消されます。

●滑りやすいのでタンクに滑り止めをつけるべし

表素材がどちらも滑りやすいので、ブレーキング時などに滑って体が前に動いてしまいます。なので滑り止めは必須です。

タンクなどに滑り止めパッドかシートを貼りましょう。簡単にカットできて、簡単にはがすことができるものが売っています。

バイク オーバーパンツ滑り止め用おススメシール

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もしタンクに貼るのに気が引ける場合はオーバーパンツ側に滑り止めシートを貼りましょう。上のシートなら簡単にはがせます。おススメの場所は内股部分と膝の内側です。ただバイクを降りた後に貼った場所が目立ってしまいますが(笑)

RSタイチ カーゴパンツ まとめ

良い点

  • 股下が浅く、ヒップが小さいのでスタイルが良く映る。
  • 細かい部分のつくりが良い
  • レディースサイズの設定がある
  • カラーがしっかりと色が出ており、高級感がある

良くない点

  • 防水のアイコンがあるが、耐水圧性の記載がないのでどのくらいの防水性能があるのか分からない。
  • 透湿性がないので非常に蒸れやすく、軽く歩いたりするだけの運動でも、内側に履いているズボンが汗で濡れてしまう。

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スタイリングやカラーリングのきれいさを重視したい方にはおススメ。

にりんかん(モーターヘッド)のライディングオーバーパンツ まとめ

良い点

  • カジュアルでありながらも耐水圧性が優秀。
  • 透湿性もそれなりにあり、蒸れは起きるがある程度の不快感は抑えられる数値

良くない点

  • 細かい箇所の縫製が雑
  • 安っぽい

まとめ

今回は2種類のオーバーパンツを紹介しました。

しかし、それにしてもこの2種類のオーバーパンツは見た目がそっくりです(笑)

機能も殆ど同じ、展開している色の数も同じです(笑)

発売時期を考えるに恐らくですがタイチの商品を真似て2りんかんがオーバーパンツを発売したのでしょう。はっきりいえば、まあ、パクったということになるんですかね……

ちなみに僕自身のおススメは

2りんかん(モーターヘッド)のライディングオーバーパンツ

です。

なぜかというと、こちらの方が透湿性が高いからです。

透湿性8,000g/㎡/24hという数値はそこそこ高い数値です。

ムレを感じにくいと言われている一般的な数値は7,000g/㎡/24h~となっているので、

2りんかんの方が快適に履けると思います。

こんかい両者を履き比べてみて、やはりこれがあるとないとでは大きく違うことを実感しました。

タイチの方は一度汗が出てしまうとどうしようもなく蒸れてしまい、オーバーパンツを脱いで中のズボンを乾かす羽目になりましたが、

2りんかんの方は、蒸れはしましたがそこまでひどくはなく、オーバーパンツを履いたままでも外でじっとしていたら気づいたら蒸れは収まっていました。

やはりレイヤリングするウェアにおいては透湿性はかなり重要な要素ですね。

今回の商品比較で、この記事を見て頂いた方の購入の助けに少しでもなればいいなと思います。

今回も最後まで見て頂きありがとうございました。

画像出典元:RSタイチ公式HP

画像出典元:MOTORHEATAD(2りんかん)公式HP

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