ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)は、2018年からラインアップに追加されたモデルです。
2018年から継続されたモデルのほとんどは、2019年モデルでは、カラーリングと細かい部分の変更にとどまりました。
しかし、アニフェスジャケットは、カラーリングのほかにも、大きな変更が加えられました。
今回は2019年、秋冬新作のANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)を紹介したいと思います。
ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)
ブラウン
参考画像:KUSHITANI 公式HP
ブラック
参考画像:KUSHITANI 公式HP
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)の基本情報
■素材:素材:〈表〉ポリエステル100%、別布/ナイロン100%、牛革
〈中綿〉ポリエステル100% (Thinsulate(シンサレート))
〈裏〉ナイロン100%
■仕様:プロテクターパッド別売り
■カラー:①ブラック②ブラウン
■サイズ:M、L、LL、XL
■価格:38,000円(+税)
=====メーカー説明=====
アーバンカジュアルなデザインのスマートなウインタージャケット。気室の仕切りを生地の織で形成する仕様を採用し、防寒性をアップ。綿の抜けも軽減します。強度の必要な下袖、身頃脇はナイロン素材に切り替えることで耐久性を向上させています。走行中はフードをループに留めることでばたつきを軽減します。
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)は秋冬用のカジュアルなダウンパーカー
●クシタニの防寒テキスタイルウェアの中で、唯一の中綿一体式のジャケット
ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)はクシタニの防寒テキスタイルウェアの中では珍しく、唯一の中綿一体式のジャケットです。
中綿一体式のジャケットのメリットは、ジャケット着用時のシルエットがきれいに映ることです。
ジャケットがアウターとインナーで分離するタイプは、2着のジャケットを重ね着するわけですから、アウタージャケットは一回り大きくならざるを得ません。
そうなるとジャケット着用時のシルエットは、どうしても着ぶくれてしまいます。
これではいくらジャケットのデザインが良くても格好がつかないですね。
アニフェスジャケットは着用時のシルエットをスラリと、きれいに保つことができます。
そのため、バイクを降りた後、街中でも、違和感なく着用し続けることができます。
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)の防水、防風、防寒、性能
●ライディングジャケットとしての性能はちょっと不足
ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)は、本格的なライディングジャケットではありません。
そのため他のテキスタイル防寒ジャケットに比べて、ライディングウェアとしての機能は劣る部分があります。
■防水機能:なし、軽い撥水処理はされています。
■防風機能:あり
■透湿機能:なし
■防寒性能:中綿は化繊(化学繊維)。高機能中綿-“Thinsulate(シンサレート)”を使用
●特殊な織法で防寒性アップ!
アニフェスジャケットの中綿が封入されている箇所には特殊な製法が用いられています。
公式HPでは以下のように紹介されています。
気室の仕切りを生地の織で形成する仕様を採用し、防寒性をアップ。
うーん。これだと何がすごいのか、またなぜ防寒性がアップするのか、ちょっとわかりにくいですね。
まず、単語の意味を説明します。
・気室:中綿が封入される部分。キルティングともいいます
・仕切り:気室と気質の間の凹み部分
・生地の織:糸を織って生地に加工する工程のこと
●単語の意味を画像で示した断面図
参考画像:KUSHITANI 公式HP
気室の仕切りを作る方法は何通りかあります。
1.仕切りの部分を糸で縫い合わせる
最もオーソドックスな方法です。
デメリットは、糸を通すために開けた針の穴が使用と共に広がることで、中の綿や、羽が、穴の隙間から抜け出しやすいという点です。
2.仕切りの部分を樹脂を使って圧着する。
ポリウレタン樹脂を用いて生地を接着することで仕切りの部分を作成する方法です。
隙間をほぼ完全になくすことができるので、綿や羽の抜けを最小限に抑えることができます。
ユニクロのシームレスダウンなどがこの製法を採用しています。
デメリットは、ポリウレタンの経年劣化により、2~3年程度で仕切りが剥がれてしまうことです。
さらに熱を加えると劣化する性質上、熱風乾燥の工程がある通常のクリーニングでは対応できない場合があります。
3.仕切りの部分を生地の織で形成する
この方法がアニフェスジャケットで採用されている手法です。
生地を縫い合わることや貼り合わせることで中綿を入れるための空洞をつくるのではなく、
生地を織りながら、中綿を封入するための空洞も同時に作ります。
そして生地が織り上がったときにはすでに中綿が入った生地が完成しているというわけです。
こちらも、隙間をほぼ完全になくすことができるので、綿や羽の抜けを最小限に抑えることができます。
それでいて、劣化の問題がありません。
デメリットは手間がかかるので、値段が高額になってしまいがち……ということでしょうか。
●ジャケット自体の防寒性能は秋~初冬用
このジャケットの表生地には防風処理が施されています。
中綿にもシンサレートが使用されており、保温性にも優れます。
さらにキルティングパターンは生地の織りで作成され、糸を通すための穴が開いていないことも防寒性を高めています。
しかしながら、アウターとインナーが別体式の他の防寒ジャケットと比較した場合、ジャケット単体での防寒性能は劣ります。
中綿の封入されているキルティング(気室)がむき出しのため、いくら防風処理が施されているといっても、常に冷風にさらされる寒い日のライディングでは、温度を維持しづらいです。
真冬にこのジャケット単体で走行するのは少し厳しいですね。
●真冬に使用する場合はインナージャケットとして使おう
真冬にアニフェスジャケットを着用して走行する場合は、さらに上に、防風のジャケットを着用する必要があります。
アニフェスジャケットをインナージャケット(ミドルレイヤー)として使用するということです。
真冬でもこのジャケットをアウタージャケットとして、インナーに防寒用のウェアを着用することを勧める記事なども見かけます。
しかし、中綿の性能の一つである「保温」機能を最大限に生かすためにも、中綿に直接風や冷気が当たらないような構造にするために、さらに上からアウターのジャケットを着用することをおススメします。
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)のその他の機能
●ストームガードで熱を逃がさない
ストームガードという熱を逃がしにくくする機能が付いています。
特にストームガードは走行中に下から巻き込む風がウェア内に侵入するのをシャットアウトしてくれます。
これがあるだけで走行中のウェア内の温度低下を大きく抑えることができます。
●ストームガード
参考画像:KUSHITANI 公式HP
●ストレッチニットで運動性を向上
参考画像:KUSHITANI 公式HP
●ウエスト調整ベルト
参考画像:KUSHITANI 公式HP
●ポケットの裏側にはファスナー付き
参考画像:KUSHITANI 公式HP
●デザインとうまく調和した肩ポケット
参考画像:KUSHITANI 公式HP
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)の問題点、デメリット
●防水機能が付いていない
アニフェスジャケットには、防水機能が付いていません。
一応、撥水処理はされています。
歩行中などに雨が降ってきて、軒下に避難するまでの間ぐらいなら濡れずに済みます。
しかし、走行中雨にさらされた場合は、水圧ですぐに浸水を許してしまいます。
通り雨に遭った場合は、すぐに雨の当たらない場所に避難しないと、びしょ濡れになってしまいます。
中綿は化繊(シンサレート)なので、雨に濡れても保温力が低下しづらいですが、冬の走行時に雨に濡れてしまうことは低体温症の発生など命に関わることですので、雨が降ってきたら速やかに雨をしのげる場所に移動して、レインスーツを着用しましょう。
あらかじめ雨が降ることがわかっている場合や、降りそうな場合は、上からレインスーツを着用しましょう。
おススメレインスーツの案内
1.おススメ!バイク用レインウェア比較-ゴアテックス編-
2.おススメ!バイク用レインウェア比較-PU加工(ゴアテックス以外)編-
KUSHITANI(クシタニ) ANIFESU JACKET(アニフェスジャケット)のまとめ
アニフェスジャケットは本格的なライディングジャケットというよりは、
ライディングウェアとしての機能を備えた、カジュアルダウン(化繊)パーカーです。
本格的なライディングジャケットとしての機能を求める場合は、他のジャケットを
選んだ方がいいですね。
ただしこちらは街中を歩く際は抜群のかっこよさですので、ちょっとした距離の場所へバイクで行くときや、街中を歩く時の見た目を重視したい方、また普段着としても使用したいと考えている方にはぴったりのジャケットだと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。