おススメ!バイク用レインウェア比較-PU加工(ゴアテックス以外)編-

雨の日のライディングに必須なアイテム。それは間違いなくレインスーツです。しかしレインスーツなら何でもいいか、というとそうではなく、その辺のホームセンターに売っているようなものではだめです。バイク走行専用に作られていないので、簡単に浸水してしまう可能性があります。

ですのでバイクで走るときには、バイク用のレインスーツが必要なのです。

バイク用レインウェアの定義

これは僕個人の見解ですが、バイク用に使用するレインウェアは、最低でも

  • 耐水圧 20,000mm以上

必要だと考えています。これ以下の耐水圧のレインウェアで長時間走行した場合浸水の可能性が大幅に上昇します。値段が高くなってしまいますが、耐水圧20,000mm以上のレインウェアを購入したほうが良いでしょう。

・バイクウェアに必要な耐水圧に関してはこちらに詳細を書かせていただきました!気になる方は↓のリンクから詳細ページに飛ぶことができます。

バイクウェア 防水機能について バイクウェアに必要な耐水圧は?

また水の侵入を防ぐために最低限必要な機能として、

●首や腕や脇などのバタつきやすい箇所にバタつきを防ぐベルクロが付いている

●フロントジッパーを完全に隠すための大型フラップが付いている。

●尻のシートと接する部分に縫い目がないシームレス構造

最低でも上記の機能は必要ですね。

バイク用のレインスーツの防水透湿素材の種類

バイク用レインウェアの防水透湿メンブレンは、GORE-TEX(ゴアテックス)を使用したウェアとPU(ポリウレタン)を使用したウェアの2種類とに分けられます。

今回紹介するレインウェアはPU加工によって防水透湿機能を得ているレインウェアです。

●PU加工(ラミネート/コーティング)とは……

生地の間にPU(ポリウレタン)のフィルムを挟む(ラミネート)または、生地の表面に樹脂材を塗布(コーティング)して、生地に防水透湿機能を与える手法。

防水透湿性や耐久性に関しては基本的にはGORE-TEX(ゴアテックス)に劣りますが、その分価格が抑えられており、GORE-TEX(ゴアテックス)を使用したレインウェアの半値以下程度で購入することができます。

まあ簡単にGORE-TEXとPU処理の違いを言いますと……

●GORE-TEX(ゴアテックス)高性能 高価格

●PUコーティング 低-中性能 低価格(GORE-TEX製品と比べた場合)

上記のような違いがあります。

資金に余裕があるのでしたらGORE-TEXの製品をおススメしますが、最近のPU加工製品には高性能なものも多いので、無理してGORE-TEXにする必要はないと思います。

ここまで読んでいただいて自分はGORE-TEX(ゴアテックス)のレインスーツが欲しいという方はこちらの記事をぜひお読みください。

おススメ!バイク用レインウェア比較-ゴアテックス編-

それでは、PU加工のレインウェアを紹介していきたいと思います!

1.KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)

画像参照元:KUSHITANI公式HP

ダークグレー

ブラック

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)の基本情報

■素材:《ジャケット》〈表〉ポリエステル100%(TPUラミネーション)〈裏〉ポリエステル100%(メッシュ) 《パンツ》ナイロン100%(TPU+3層トリコット

■カラー:①ブラック②ダークグレー

■サイズ:M/L/LL/XL

■防水透湿性能: ・ジャケット 生地初期耐水圧20,,000mm, 透湿性5,000g/㎡/24h   ・ パンツ 生地初期耐水圧10,000mm, 透湿性8,000g/㎡/24h

■価格:¥28,000+税

■機能:撥水 防水 透湿 リフレクト 防風  ダクト ビーバーテール ストームガード

クシタニが販売しているレインスーツです。ストレッチ性があるのでレインスーツにしてはかなり着やすいです。

後述しますが、販売されているレインスーツの中ではかなり多機能です。

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)は通常のレインウェアよりもかなり長持ち

PU加工されたレインウェアの寿命は2~3年程度です。それはPU(ポリウレタン)が加工された瞬間から加水分解という現象を起こして劣化していくためです。

しかしTPUコーティングは、従来のポリウレタン樹脂にみられる加水分解等の劣化が非常にしにくい素材です。ですのでこのジャケットから、数年で防水透湿性が無くなることはありません。

PUコーティングとは違って耐久性が大幅に向上しているのはうれしいですね。

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)の優れた機能

●手首と足首はゴム付きインナーとの2重構造

画像参照元:KUSHITANI公式HP

手首と足首はゴム付きのインナーが付いていて、裾からの雨水の侵入を防ぎやすくなっています。

手首と足首はゴム付きのインナーが付いていて、裾からの雨水の侵入を防ぎやすくなっています。

●ビーバーテールが尻部分からの水の侵入を防止

画像参照元:KUSHITANI公式HP

ビーバーテールとは言ってしまえば股掛けです。ジャケットの裾からビーバーの尾のように、股掛け部分が垂れ下がることからこの名前が付いています。このテール部を股の下を通して固定することにより、ジャケットのずり上がりを防ぐことができるので、ジャケットとパンツの隙間からの浸水を防ぎ、防水性を高めることができます。

●首、上腕、手首、脇腹、脚、足首にベルクロがあり、サイズ調整が可能

画像参照元:KUSHITANI公式HP

●エアーダクトにより蒸れを軽減可能

画像参照元:KUSHITANI公式HP

●パンツの裾のベルクロはブーツの上からでもしっかりとめることが可能です

 

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)のサイズ感

●通常のライディングウェアよりも一回り大きい

通常のライディングジャケットの上から着用するように設計されているのでそれらと同じサイズでも一回り大きいサイズになっています。

●優れたストレッチ性

ストレッチ性があってよく伸びるので、背中や肘、膝などの突っ張り感がかなり緩和されています。

購入される場合は実際に店舗で試着してみて購入されることをおススメします。

サイズが無い場合は気軽に取り寄せてもらって試着することも可能です。試着した結果気に入らなければ購入しなくても大丈夫なので、気になっているけどサイズが無い方は気軽に取り寄せてもらいましょう。

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)の気になる点

●税込み¥30,000を超える値段の割には耐水透湿性能が低い

高価格にしては耐水圧と透湿性の数値が低いです。特に透湿性は5,000g/㎡/24hしかないので蒸れやすいです。耐水圧は20,000mmなのでバイク用のレインスーツとしては合格点ですが、税込み30,000円を超える値段を考えると物足りない数値です。

さらに上記の数値はジャケットの数値で、パンツの耐水圧はさらに低いです。耐水圧は10,000mmと最低ラインを割っています。膝部分はもっとも突っ張る場所で、高い耐水圧が必要な部分です。

生地が突っ張るとそこに圧力がかかり、その部分はある程度の水圧を受けているのと同じ状態になるためです。

パンツの耐水圧も20,000mmは欲しかったですね。まあジャケットほど雨粒の直撃を受けにくい箇所ではありますが、臀部や膝の部分は自重や突っ張りによって常に圧力を受けている箇所なので、高い耐水圧があった方が安心です。

日常的な使用でしたら問題ないですが、ロングツーリングなど、雨の中をある程度の速度で長時間走行する可能性のある場合、高速で走行する場合は、別のレインウェアを選択したほうがいいでしょう。

税込み30,000円を超える値段はおそらく、このスーツにある多数の機能のためだと思われますが、いくら雨水の侵入を防ぐ多数の便利な機能が付いていたとしても、生地そのものの防水性が不足しているようでは意味がありません。

KUSHITANI(クシタニ) STRECH RAIN SUIT(ストレッチレインスーツ)のまとめ

良い点(GOOD)

・水の侵入を防ぐための様々な機能が付いている。

・ストレッチ性があるのでよく伸び、突っ張り感が軽減されている。

・着心地も良いので、日常使いや通勤時などには使いやすい。

・裏地一体型の3レイヤーなので、裏地がめくれてもたつくことなく、着心地履き共に心地が良く、脱ぎ履きしやすい。

良くない点(BAD)

・生地の基本の防水透湿性能が値段の割には高くない。

●余談

ちなみに、クシタニのジャケットのラインナップにはアクアジャケット(AQUA JACKET)とアロフトジャケット(ALOFT JACKET)というジャケットがあるのですが、

これらのジャケットの耐水圧は、アクアジャケット、アロフトジャケット共に

・生地初期耐水圧30,000mm, 透湿性19,000g/㎡/24h です。

通常のジャケットであるこれらのジャケットの耐水圧の方が、このレインスーツを上回っています。

同じメーカーから販売されているレインスーツというからにはこれら2つと同等の耐水圧の性能を付与して欲しかったです。

2.GOLDWIN(ゴールドウィン)GWS  Gベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツ

画像参照元:GOLDWIN公式HP

サンビーム×ブラック

ブラック×ライトグレー

ライトグレー×レッド

アズテックブルー×ライトグレー
 

GOLDWIN(ゴールドウィン) Gベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツの基本情報

■素材:40Dナイロンタフタ・Gベクタープロフェッショナル3L(ナイロン100%(コーティング等樹脂加工))

■カラー:①ブラック×ライトグレー②ライトグレー×レッド③サンビーム×ブラック④アズテックブルー×ライトグレー

■サイズ:M/L/LL/XL

■防水透湿性能:初期耐水圧:40,000mm(B-2法)/透湿性20,000g/m2/24h(B-1法) 撥水性 :100洗3級

■重量:約630g(Lサイズ)

■収納サイズ:スタッフサックサイズ(高さ×底幅)28cm×12cm

■価格:¥19,670+税(WEB SHOP 実売価格¥16,000~¥18,000税込 程度)

■機能:撥水 防水 透湿 撥水 リフレクト 防風 ダクト 

GOLDWINが販売しているPU加工レインスーツです。

●採用しているPU加工はGベクタープロフェッショナル

初期耐水圧:40,000mm(B-2法)/透湿性:20,000g/m2/24h(B-1法)

画像参照元:GOLDWIN公式HP

PU加工を用いた防水透湿素材ですが、他のメーカーの防水透湿素材と比べてかなり性能が高く、数値だけならGORE-TEXに匹敵する数値です。

裏地のない3層構造です。裏地が無いので、コンパクトで収納性に優れます。しかしながら防水透湿性を持つメンブレンがむき出しで、肌面に直接触れてしまうので、摩擦や皮脂などの汚れにさらされやすいです。定期的なケアは必須です。

●生地の欄に記載のあるD(デニール)とは

またこの製品の基本情報の生地の項目には70D(デニール)という記載があります。この70D(デニール)という表記は簡単に言ってしまうと糸の重さの単位です。この数値が大きければ大きいほど生地の強度が高いということになります。

一般的なナイロンが210デニール程度で、30~40デニールで軽量と言われています。なのでこのGベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツの40デニールは通常よりも薄く軽量で名の通りコンパクトに収納することが可能です。

ちなみにですが生地の強度に定評のあるコーデュラナイロンは1000デニール程度とされています。

GOLDWIN(ゴールドウィン)Gベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツの優れた機能

●100洗3級の撥水性

100洗3級とは100回洗濯しても3級の撥水性を維持できるという意味です。

撥水性能の評価は5段階あり、1が最も低く、5が最も高いです。2級から撥水加工という表記を付けることが可能です。

1級:表面全体に湿潤を示すもの。

2級:表面の半分に湿潤を示し,小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。

3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。

4級:表面に湿潤しないが,小さな水滴の付着を示すもの。

5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの。

JIS L 1092:2009 繊維製品の防水試験方法より抜粋

100回洗濯しても撥水性能が維持できるのはいいですね。PU加工のレインウェアの寿命は2~3年なので、おそらく買い替えるまでに100回も洗濯しないと思いますすが、それだけ強力な撥水加工が施されていれば安心です。ただし、ここでいう洗濯というのは、桶に水を張って衣類を漬けて軽く押して洗うといった衣類に最も負担がかからない方法での洗濯です。摩擦に対する強度を示しているわけではないので注意が必要です。実際に使用する場合は、摩擦などにより撥水性は低下していきます。(特にパンツ)なので定期的な撥水スプレーは必要です。

●各部はベルクロで絞ることが可能

首、腰、二の腕、腕の裾、足の裾は、ベルクロでサイズを調整することが可能です。

画像参照元:GOLDWIN公式HP

●フードは脱着可能

GOLDWIN(ゴールドウィン)Gベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツのサイズ感

●通常のライディングウェアよりも一回り大きい

通常のライディングジャケットの上から着用するように設計されているのでそれらと同じサイズでも一回り大きいサイズになっています。

購入される場合は実際に店舗で試着してみて購入されることをおススメします。

・GOLD WIN (ゴールドウィン)ゴアテックスレインスーツサイズ表

GOLDWIN(ゴールドウィン)Gベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツのまとめ

Gベクタープロフェッショナルの防水透湿性能はPUコーティング製品としては圧巻の一言です。

PU加工のレインスーツを購入しようとしていて、とにかく高い防水透湿性の生地を持つレインスーツが欲しい方にはこの製品をおススメします。

良い点(GOOD)

・PU加工にしては高性能な防水透湿性能

・100洗3級の優れた撥水性能

・コンパクトに収納可能(スタッフサックサイズ(高さ×底幅)28cm×12cm)

良くない点(BAD)

・ベルクロで各部の幅を調整できる機能以外は特に機能が付いていない。

・裏地なしなので着心地履き心地ともにあまり良くない。

3.mont-bell(モンベル)ストームバイカー

画像参照元:mont-bell公式HP

サンセットオレンジ

ブラック

mont-bell(モンベル)ストームバイカーの基本情報

■素材:素材】(ジャケット)ドライテック3レイヤー[表:40デニール・ナイロン・リップストップ](パンツ)ドライテック3レイヤー[表:40デニール・ナイロン・リップストップ]

■カラー:①ブラック②サンセットオレンジ

■サイズ:S/M/L/LL/XL/XXL(男女兼用)

■防水透湿性能:初期耐水圧:20,000mm(B-2法)/透湿性:15,000g/m2/24h(B-1法) 撥水性 :超耐久撥水

■収納サイズ:スタッフサックサイズ 10×10×21cm

■価格:¥16,500+税(WEB SHOP 実売価格¥17,820 税込 程度)

■機能:撥水 防水 透湿 撥水 リフレクト 防風 立体裁断(肘膝)

Mont-bell(モンベル)が販売しているレインスーツです。

●採用しているPU処理はDRYTEC(ドライテック)

初期耐水圧:20,000mm(B-2法)/透湿性:15,000g/m2/24h(B-1法)

画像参照元:mont-bell公式HP

モンベルが独自に開発した防水透湿性素材です。超耐久撥水性(洗濯20回以上)を誇ります。

柔らかな着心地もドライテック採用アイテムの大きな特長です。裏生地は滑りの良いトリコット生地を使用しているので、レインスーツによくある袖を通しづらいということがなく、レイヤリングも容易です。

耐水圧は20,000mmあり、透湿性は15,000mmあるのでPU加工の素材としては優秀な部類に入ると思います。

●生地の欄に記載のあるD(デニール)とは

またこの製品の基本情報の生地の項目には70D(デニール)という記載があります。この70D(デニール)という表記は簡単に言ってしまうと糸の重さの単位です。この数値が大きければ大きいほど生地の強度が高いということになります。

一般的なナイロンが210デニール程度で、30~40デニールで軽量と言われています。なのでこのGベクタープロフェッショナル コンパクトレインスーツの40デニールは通常よりも薄く軽量で名の通りコンパクトに収納することが可能です。

ちなみにですが生地の強度に定評のあるコーデュラナイロンは1000デニール程度とされています。

さらにmont-bell(モンベル)ストームバイカーの生地にはリップストップ加工が施されているので、生地が裂けにくく耐久性が高いです。

mont-bell(モンベル)ストームバイカーの優れた機能

●各部はベルクロで絞ることが可能

首、腰、二の腕、腕の裾、足の裾は、ベルクロでサイズを調整することが可能です。

画像参照元:mont-bell公式HP

●パンツの生地には雨に濡れても滑りにくい

パンツは濡れても滑りにくい生地が使用されており、しっかりとシートやタンクをホールドすることが可能なので、雨天走行中の安定した走行に寄与します。

●損耗しやすいパンツは別売り販売有

パンツはシートと常に接触しており、動く際にどうしてもシートと擦れてしまうので、ジャケットよりも損耗が早いです。ですのでジャケットはまだ使用できるのにパンツだけが駄目になってしまうということが起こりえます。ですので、パンツのみ別売してくれるというのはありがたい配慮ですね。

もっともPU加工製品の寿命は2~3年ですので、殆ど使われない方は、寿命の方が早く来ると思いますが……

mont-bell(モンベル)ストームバイカーのサイズ感

●通常のライディングウェアよりも一回り大きい

通常のライディングジャケットの上から着用するように設計されているのでそれらと同じサイズでも一回り大きいサイズになっています。

Sサイズ~XXLサイズまで展開されているので、女性の方から大柄な方までに対応します。

購入される場合は実際に店舗で試着してみて購入されることをおススメします。モンベルショップは全国に展開しているので、実物を実際に手に取て試着しやすいのがいいですね。

但し全ての店舗がモーターサイクルのウェアを取り扱っているわけではないので注意が必要です。

・サイズ表

画像参照元:mont-bell公式HP

mont-bell(モンベル)ストームバイカーのまとめ

ドライテックの耐水圧は20,000mmと基準ラインで、透湿性は15,000g/m2/24hとそれなりに高い数値です。

ただ特筆する点も特にないというのが事実で、バイク用のレインスーツとしては付与されている機能も基本的な機能のみにとどまっています。

mont-bell(モンベル)の質の高さと、全国展開されているので商品が手に取りやすいというのはいい点です。

●余談 なぜmont-bell(モンベル)はGORE-TEX(ゴアテックス)生地を使用したバイク用レインスーツのラインナップが無いのか

余談になるのですが、mont-bell(モンベル)はGORE-TEX(ゴアテックス)生地を採用した登山用ウェアを多数取り扱っているにも関わらず、バイク用のレインスーツにはGORE-TEX(ゴアテックス)を使用したものはありません。

他のメーカー(GOLDWINやKOMINEなど)GORE-TEX(ゴアテックス)を取り扱っているメーカーでは、PU処理とGORE-TEX(ゴアテックス)の両方のレインスーツがラインナップさています。

なぜmont-bell(モンベル)にはGORE-TEX(ゴアテックス)を使用したバイク用レインスーツの取り扱いが無いのでしょうか。

それはバイク特有の使用環境にあります。

GORE-TEX(ゴアテックス)にとってバイク走行での使用環境というものは、通常の使用の範囲を超えていて、過酷な部類に入るそうです。

GORE-TEX(ゴアテックス)のような多孔タイプは排気ガスや粉塵の影響で孔に汚れがたまりやすく本来の性能が発揮できなくなる可能性が高いそうです。

GORE-TEX(ゴアテックス)の耐年数は5~10年と言われていますが、バイクでの使用下における耐年数は低くなる傾向にあるそうです。

なのでmont-bell(モンベル)としては排気ガスなどの汚れにはある程度強いPU処理を使用して、定期的(2~3年)で買い替えてもらうという方が

確実な防水透湿性を保証できるという考えだそうです。

どうやら高性能なGORE-TEX(ゴアテックス)だから良いというわけではないようですね。

良い点(GOOD)

・高い透湿性能

・裏地一体型の3レイヤーなので、裏地がめくれてもたつくことなく、着心地履き共に心地が良く、脱ぎ履きしやすい。

良くない点(BAD)

・必要最低限な機能だけで特別な機能が付いていない。

4.KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)

画像参照元:KOMINE公式HP

KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)の基本情報

■素材:ポリエステル

■カラー:①ブラック②レッド③シアンブルー④ディープブルー⑤イエロー⑥カモフラージュ⑦KOMINE camo⑧ブルーカモ⑨オリーブ

■サイズ:S/M/L//XL/2XL/3XLB/4XLB/5XLB

■防水透湿性能:ジャケット)初期耐水圧:27,000mm/m3 透湿性:10,000g/m2/24h パンツ)初期耐水圧:11,000mm/m3  透湿性:無し

■価格:(S~3XLB)¥9,900+税 (4XLB/5XLB)¥10,900+税

(WEB SHOP 実売価格¥7,500~¥8,500税込 程度)

■機能:撥水 防水 透湿 撥水 リフレクト 防風 立体裁断

KOMINEl(コミネ)が販売しているPU加工レインスーツです。

●採用しているPU処理はBreathter(ブレスター)

初期耐水圧:27,000mm /m3  透湿性:10,000g/m2/24h

画像参照元:KOMINE公式HP

KOMINE(コミネ)独自の防水透湿性素材です。

耐水圧は27,000mm/m3あります。この手のPU処理レインウェアの中ではこの耐水圧は優秀な部類です。さらに、値段が税抜きで10,000円を切っていることを考えると驚異的な数値です。透湿性は10,000g/m2/24hと低くはないですが高くもない数値です。

KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)の優れた機能

●税抜きで¥10,000を切る価格設定

耐水圧:27,000mmで10,000円を切る価格というのはすごいですね。ただし、後述していますが、これにはいくつか残念な理由があります。

●各部はベルクロで絞ることが可能

首、腰、二の腕、腕の裾、足の裾は、ベルクロでサイズを調整することが可能です。

画像参照元:KOMINE公式HP

●サイズ設定が非常に豊富

Sからなんと5XL!まである。

5XLとはすごいですね。他のメーカーでは合うサイズが無くて困っているという方にとっては非常に助かりますね。

●脚の内側には難燃素材を使用

画像参照元:KOMINE公式HP

レインスーツというのは大き目なので、バイクの車種によってはマフラー部分などにパンツが接触してしまう可能性もあります。いくら雨が降っているからといってもマフラー部分は数百度の温度ですので、レインスーツが接触すれば簡単に溶けてしまいます。ヒートガードがあれば接触しても溶けてしまうのを防ぐことができます。

●損耗しやすいパンツは別売り販売有

パンツはシートと常に接触しており、動く際にどうしてもシートと擦れてしまうので、ジャケットよりも損耗が早いです。ですのでジャケットはまだ使用できるのにパンツだけが駄目になってしまうということが起こりえます。ですので、パンツのみ別売してくれるというのはありがたい配慮ですね。

もっともPU加工製品の寿命は2~3年ですので、殆ど使われない方は、寿命の方が早く来ると思いますが……

KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)のサイズ感

●通常のライディングウェアよりも一回り大きい

レインスーツは通常のライディングジャケットの上から着用するように設計されているのでそれらと同じサイズでも一回り大きいサイズになっています。

Sサイズ~5XLサイズまで展開されているので、大柄な方にもおすすめです。

・サイズ表

画像参照元:KOMINE公式HP

KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)の気になる点

●パンツには透湿機能が無い。

なぜかパンツには透湿機能が付いていません。つまりパンツには独自防水透湿素材のBreathter(ブレスター)が使用されていないことになります。なぜそのような仕様にしたのかはわかりませんが、恐らくはレインスーツ自体の値段を税抜き¥10,000以下に抑えるためでしょうか。

蒸し暑い日などはパンツ内が自分の汗でびしょぬれになる可能性が高いので、そういった季節に使用する場合は、別のレインウェアを選択する、もしくは吸汗速乾素材を内側に身に着ける等して気を付けたほうがいいでしょう。

●防水構造に問題あり

生地の防水性は文句無しですが、スーツ自体の防水性にはいくつか問題があります。

・フロントフラップ(前閉じ)

画像参照元:KOMINE公式HP

フロントフラップは黄色い枠で囲った部分。前閉じ。ファスナーの上から被せることで水の侵入を防ぐ機能。

フロントフラップ(前閉じ)のベルクロが上から下に一本通っているわけでなく、なぜか、長方形のベルクロが等間隔で配置されています。

これではベルクロとベルクロの間の部分の密着性がなく、隙間が空いてしまいそこから水が浸入しやすくなります。フラップの裏のファスナーは止水ファスナーではないので、ファスナー部まで水が浸入してしまうといくら生地の防水性が高くてもスーツ内部が濡れてしまいます。

この構造のせいで腹部あたりが浸水しやすいです。生地の防水性は問題ないのですが、フラップの裏のファスナーは止水ファスナーではないので、そこから容易に浸水していまします。なぜこのような構造にしたかは理解に苦しみますが、おそらくコストカットのためでしょう。

・襟裏にフードを収納する構造に問題がある

画像参照元:KOMINE公式HP

密閉性があまり良くないので、襟のあたりから水が浸入するケースがあります。それにしても、なんでフードを収納構造にしたのですかね。取り外せた方が断然使いやすいとおもうのですが……

・サイズに対して手首の部分が大きい

適性なサイズなのに、手首の部分が大きく、ベルクロを一杯に絞ってもまだダボ付きます。そのままだと隙間から水が浸入してしまいますので、ジャケットの裾を完全に包むことが可能なロングタイプのレイングローブの併用をお勧めします。

KOMINE(コミネ)Breathter Rainwear FIATO(ブレスターレインウェアフィアート)のまとめ

税抜きで1万円を切っていて,耐水圧が27,000mm/m3もあるのはすごいです。他のメーカーにはないコスパです。

ただその分、コストをカットするためか、必要な機能が削られている部分も多くみられ、1万円以下に抑えることを優先して作られているようにも思えました。

ズボンに透湿性が無く、高温多湿の日に使用する場合は注意が必要です。雨には濡れなかったが、自分の汗でびしょ濡れになってしまったという事態が発生します。

せっかく別売りでパンツを販売しているので、透湿性の付与されたパンツも販売して欲しいところです。

良い点(GOOD)

・値段の割にはかなり高い耐水圧

良くない点(BAD)

・パンツに透湿性能がない。

・防水構造に不備がある

5.Y’S GEAR(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツ

画像参照元:Y’S GEAR公式HP

Y’S GEAR(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツの基本情報

■素材:3レイヤー 表地:ポリエステル100% 中間層:(透湿防水メンブレン)ポリウレタン  裏地:ナイロン100%

■カラー:①ブルー

■サイズ:S/M/L//LL/3L/4L/BL/

■防水透湿性能:初期耐水圧:30,000mm/m3 透湿性:15,000g/m2/24h

■収納サイズ:22cm×30cm

■価格:¥32,000+税(WEB SHOP 実売価格¥24,000~¥25,000税込 程度)

■機能:撥水 防水 透湿 撥水 リフレクト 防風 ベンチレーション ダブルガード

●採用しているPU処理はCYBER TEXS 3(サイバーテックス 3)

初期耐水圧:30,000mm /m3  透湿性:15,000g/m2/24h

画像参照元:Y’S GEAR公式HP

Y’S GEAR(ワイズギア)が採用している防水透湿性素材です。防水透湿フィルムを表地と裏地で挟んだ一体型3層構造です。裏地はトリコットのメッシュですので、肌触りもいいです。

値段が高いだけあって耐水圧透湿性ともに高性能ですね。

Y’S GEAR(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツの優れた機能

このレインスーツはバイクメーカーが作っているということだけあって、雨天ライディング時に助かる機能がたくさんついています。

●各部はベルクロで絞ることが可能

首、腰、二の腕、腕の裾、足の裾は、ベルクロでサイズを調整することが可能です。

画像参照元:Y’S GEAR公式HP

●ネック、スリーブ、ウエストダブルガード

首、腕裾、腰が二重構造になっていて、水の侵入を防ぎます。さらに水抜き用の穴も付いていて、万が一水が浸入しても水が逃げる仕様になっています。

画像参照元:Y’S GEAR公式HP

●濡れたキーを入れるためのポケット

濡れたキーというのは意外としまいどころに困るので、これは嬉しい機能ですね。

●ベンチレーション

背中にベンチレーションがあるので蒸れを逃がすことができます。ただ、ベンチレーションのフラップ(あまよけのひさし)が短いのが気になりますね。雨の中開けた状態で走行した場合は、風でバタついたときに水が浸入しそうです。

●生地にストレッチ素材を使用

生地にストレッチ素材を使用しているのである程度の伸縮性があり、ガサつきにくく、普通のレインスーツよりも着心地が向上しています。

Y’S GEAR(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツのサイズ感

●通常のライディングウェアよりも一回り大きい

通常のライディングジャケットの上から着用するように設計されているのでそれらと同じサイズでも一回り大きいサイズになっています。

S~4Lまでの豊富なサイズ設定なのは嬉しいですね。

可能でしたら店頭で試着したほうが良いでしょう。

Y’S GEARr(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツの気になる点

●フロントが止水ファスナーとはいえむき出しなのは…

フロントファスナーは止水ファスナーで一応防水を謳っているのですが、残念ながら、止水ファスナーは完全防水ではありません。

参考:YKK アクアガード

上記はファスナーの超有名メーカーが製造販売している止水ファスナーですが、

・このファスナーは完全防水ではありません。

とはっきりと記載されています。(注:ヤマハレーシングレインスーツがこのファスナーを使用しているわけではありません。止水ファスナーの一般論としての参考です)

ではそんな完全防水ではない止水ファスナーがむき出しだしで、防水性は大丈夫なのかと心配になるのですが、大丈夫です。

ファスナーの裏側にバックフラップが付いているので、水の侵入を防ぐことが可能です。他のメーカーのレインスーツはフラップが前に付いていますが、それと同じです。

●カラーリングがヤマハカラーしかない

カラーリングがなぜかブルー1種類のみです

Y’S GEARにはレインスーツのラインナップがグレードごとにいくつかあり、このヤマハレーシングレインスーツはそれらのフラグシップモデルなのですが、なぜかこのモデルのみカラーリングが1色のみです。

まあYAMAHA(ヤマハ)といったらこの色なので、YAMAHA乗りの方にはいいのかもしれませんが……(とは言ってもYAMAHAだってバイク自体のカラーリングは豊富です)

せっかくのフラグシップモデルなのですから、数種類のカラーリングはラインナップしてほしかったですね。

Y’S GEAR(ワイズギア) ヤマハレーシングレインスーツのまとめ

良い点(GOOD)

・浸水を防ぐための優れた豊富な機能

・ストレッチ性があるので伸び、突っ張り感が軽減されている。

良くない点(BAD)

・カラーリングがブルー1種類のみ

PU加工レインスーツを購入するうえでの注意点

中古と値引き(セール)品の購入は避ける

僕は安く購入できるからといって、中古と値引き(セール)品の購入はおススメしません。PU加工のレインスーツには寿命があります。寿命は製造開始時点から2~3年程度とされています。つまり中古や値引き(セール)品というのは、すでに寿命を迎えているか、もしくはわずかにしか寿命が残っていないという可能性が高いからです。

同じ商品で、安いセール品があるからといっても、新品を購入しましょう。

そしてなるべくなら人の出入りの多い大型店舗などで購入することをおススメします。人の出入りの多い大型店舗なら商品の回転率も高いので、入荷されたばかりの商品を購入できる可能性が高いです。

PU加工の製品でやっかいなのは寿命のカウントが製造開始時点から始まっているのにも関わらず製造日が記載されていないので、購入する時点で残りの大体の寿命の把握ができないことです。

可能な限り入荷したばかりのものを購入するために、商品の回転が高そうな店舗で購入しましょう。

また、あえて店舗に無い商品を発注してもらって購入するというのも手です。そうすれば確実に入荷したての新品を手に入れることができます。

まとめ

今回はPU加工のレインスーツを紹介させていただきました。最近はPU加工のレインスーツの性能も上がっていて、高耐水圧、高透湿性の商品がたくさんあります。

今回紹介したPU加工のレインスーツはそれらの中でも高性能なものが多いです。それ故少しお高いのですが、性能はバッチリで、どれも自信をもっておススメできます。(※但しKOMINE(コミネ)ブレスターレインウェアフィアートは除く 防水構造に難あり

バイク用のレインウェアの購入をお考えになられている方の一助になれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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