クシタニの2019年春夏ウェアは多種多様なモデルが発表されていますが、
今回紹介するフィンジャケットというジャケットは、アーバン系のシャキッとしたデザインとなっていてライディング時以外での普段使いも可能です。
それでいて防水防風透湿というライディングウェアに必要な基本的な機能はすべて備えているという全く新しいライディングジャケットになっています。
目次
クシタニ FIN JACKET(フィンジャケット)
ブラックカモフラ
その他カラー:ブルーカモフラ/ブラウン
FIN JACKET(フィンジャケット)基本情報
■素材:〈表〉ポリエステル100%(TPUラミネーション,生地初期耐水圧10,000mm,透湿性3,000g/㎡/24h),ストレッチ部/ナイロン96%,ポリウレタン4%,別布/牛革〈裏〉ポリエステル100%(クールマックス,メッシュ)
■仕様:〈肩、肘、背中〉ソフトパッド標準装備(脱着式)
■カラー:①ブラックカモフラ②ブルーカモフラ③ブラウン (レディースはブルーカモフラとブラウンのみ )
■サイズ:M、L、LL、XL (レディースはM、Lのみ)
■価格:¥40,000+税
■MAIDE IN JAPAN
=====メーカー説明=====
防水生地を採用することでアーバンユースからツーリングにまで使用できるジャケット。革素材をアクセントに加えたリップストップ素材にカモフラ柄を組み合わせ質感のある仕上がりに。高機能ウェアをバイクのみならず普段使いしてもらいたいというコンセプトですが、もちろんライディングに適した機能は全て持ち合わせています。裏地は吸汗速乾素材。
バイクジャケットには見えないアーバンデザインとスタイル
●スタイル
外観での特徴は、高い襟と、襟から裾までまっすぐ延びる革素材のライン。
全体的にジャケットのシルエットがすっきりとしており、一見しただけではライディングジャケットには全く見えません。
洒落た空間に似合うような上質な落ち着いた雰囲気を持っています。
ライディングジャケットというのは、例えばカジュアルなデザイン要素を含んだテキスタイルウェアのデザインでも、どこかにスポーティーな要素が残っているものですが、
このジャケットからはそういった要素はほぼすべて取り払われています。
バイクウェアに必要な機能はすべて備えている
かといってライディングウェアに必要な性能をないがしろにしているわけでは全くなく、必要な機能は備えています。
以下の項目がこのジャケットの備えている機能です。
・防風
・耐水圧 10,000mm (TPUラミネーション)
・透湿性 3,000g/㎡/24h (TPUラミネーション)
・生地の強度 表面:リップストップ生地
・吸汗速乾 裏面:COOL MAX(クールマックス)
このジャケットは春秋シーズン向けなので、これだけの性能があればライディングウェアとしては問題ないでしょう。
●急な雨でも対応できる
耐水圧10,000mmは小雨の中走る程度においては問題ない数値です。
本降りの中ではレインウェアが別途必要になります。
ポケットがすべてスナップボタンですので、そこから水が浸入しやすいです。
雨天走行時は外側のポケットに物を入れないほうがよいでしょう。
余談ですがこちらのポケットはあえて止水加工を施さなかったそうで、
タウンユースでの使い勝手を優先したそうです。
止水加工をしたら手軽に開け閉めできませんからね。
透湿性はちょっと低く、このジャケットを着たままアクティブに行動すると不快な蒸れが発生するので、そういうシーンでは脱ぎましょう。
走行中は胸と腕にあるエアーダクトを開ければ蒸れを輩出することができるので、
春先などの寒暖差が大きい季節にも対応できます。
●TPUラミネーション
これらの耐水透湿性はTPUラミネーションという処理によって得られているものです。
通常はPUラミネーション(PU=ポリウレタン)という処理なのですが、こちらはPUの前にTが付いています。一体何が異なるのでしょうか。
TPUラミネーションとは……
TPUとはThermoplastic Polyurethaneの略で、サーモプラスチックポリウレタンといいます。
熱可塑性ポリウレタンともいいます。特徴はゴムのような弾力性があり、防水性に
優れ、汚れにも強いことです。
実はこのTPUラミネーション、従来のポリウレタン樹脂にみられる加水分解等の劣化が非常にしにくい素材なのです。
ですのでこのジャケットから、数年で防水透湿性が無くなることはありません。
PUラミネーションとは違って耐久性が大幅に向上しているのはうれしいですね。
PU(ポリウレタン)によるラミネーション及びコーティングの最大の問題点は、劣化具合が外見から全く判断できず、いつ効果がなくなるのかもわからないことです。
大体製造時点から3年程度と言われていますが、いつ製造されたかなんてわかりません。
なので雨に打たれて初めて防水性が消失していることに気づくこともあり、必要な時にはすでに防水性能がなくなっているということもあるわけです。
そうなってしまえばびしょ濡れになってしまいます。
TPUコーティングであればそういった不安要素は殆どなくなるので、安心して着続けることができますね。
●表生地はリップストップ素材で高耐久
表生地はパリッとした素材でザラザラしています。リップストップ生地という耐久性の高い素材が使用されています。
リップストップ素材とは……
格子状に太い糸を織り込むことで、
裂け(リップ)を途中で止める(ストップ)機能
を持つ素材です。
耐久性が必要なミリタリーグッズや
アウトドア製品にはよく見られる織り方です。出典:布生地専門店イワキ
走行中は、場所によっては道路に飛び出している枝葉をよけることができない状況がありますので、破れにくい素材というのはいいですね。
●内側の生地はCOOLMAX(クールマックス)で汗をかいても快適!
内側の生地はCOOLMAX(クールマックス)という吸汗速乾素材を使用しているので、
日中暑くなって汗をかいても不快になりにくいのもいいですね。
冬でも店内は暖房がきいておりジャケットを着たままでは汗をかきますし、
春も日中はジャケット着たままでは暑いですからね。
COOLMAX(クールマックス)とは……
クールマックス®コア テクノロジーを使用して作られた生地で、吸汗速乾性に非常に
優れています。乾燥速度が綿(コットンの)5倍という驚異的な速度のために、常に
涼しくドライな着心地で、汗冷えも起きにくく、体温調整機能にも優れています。
FIN JACKET(フィンジャケット)サイズ感はかなりタイト目
このフィンジャケットのサイズ感は、クシタニの他のジャケットと比較してかなりタイトです。
普通のおしゃれ着などと同じように、シルエットがきれいに出るようにデザインされているためですね。
●いつもよりも1サイズ大きいサイズを選ぶべし
そのためクシタニの通常サイズよりも1サイズ大きめにしないと着用するのは厳しいと思われます。(着れないことはないですが、ライディング時にけっこうつらい思いをするでしょう)
僕は通常クシタニのジャケットはXLサイズを着用しているのですが、このフィンジャケットは腕や肩の部分が結構キツかったです。いつもはLLサイズ以下のサイズを着用されている方は1サイズ上を選べばいいのですが、XLサイズの方はそれ以上が無いので、XLでどうしても欲しい方は、内側に着る服を減らすなりして緩和するしかなさそうです。
●ロングツーリング用のジャケットではない
ゆとりがあまりないので、このジャケットを着て長時間のライディングは疲れるでしょう。
あくまでアーバンユース向けのコンセプトなので、シルエットの方が重視されています。感覚としては、ちょっと離れた場所まで出掛けに行くときに着ていくジャケットという風に考えたほうがいいでしょう。
ここまでシルエットがいいと問題なく普段使いにも使用できますので、色々なシーンで使いまわすことのできるというはうれしいですね。決して安くはない値段ですので。
FIN JACKET(フィンジャケット)の問題点
●サイズ感がかなりタイト
上ですでに説明していますが、サイズ感は気を付けたほうがいいです。
購入される際は必ず実物を試着することを強くお勧めします。
肩と腕の部分が他のジャケットの同じサイズよりも結構細いです。
細めの体格の方は問題ないと思われますが、がっちりした体格の方はいつもより1~2サイズ上にしないと苦しいでしょう。
試着の段階でキツい感覚の場合は、ライディング時はさらに窮屈に感じるので注意が必要です。
特にSS系などのスポーツタイプなどの前傾姿勢を強いられるバイクに乗られている方はなおさら注意が必要です。
まあ、SSバイクと子ジャケットの親和性は良いとは言えないので、SSバイクに乗られている方は、あまりこのジャケットを選択しないでしょうが……
●ジャケットについているポケットには止水加工が施されていない
ジャケットそのものにはTPUラミネーションが施されていますが、ジャケットについているポケットには止水加工が施されていません。
そのため、ジャケットのポケットの中に物が入った状態で走行中雨が降ってきた場合は、ポケット内部が浸水する可能性があります。
ゲリラ豪雨に遭ったりするとまずいので、ジャケットのポケットには雨に濡れて困るものは入れない方が良いでしょう。
ただこれはクシタニのミスではなく、あえて止水加工を施さなかったそうで、タウンユースでの使い勝手を優先したそうです。
止水加工をしたら手軽に開け閉めできませんからね。
●他のテキスタイルジャケットに比べて高額。
価格:は¥40,000+税 で消費税8%込みで43,200円です。他のクシタニのテキスタイルジャケットとおよび、他のメーカーのジャケットと比較しても結構高額です。
しかしその分、品質はかなり高いのです。
このフィンジャケットは、このジャケットはこの手にしては珍しく国産です。
まあ最近は国産の定義が緩くなっているのでどこまで国産かは不明ですが、それゆえ値段が高額になっているのでしょう。
FIN JACKET(フィンジャケット)まとめ
●イチオシポイント
何よりも全くライディング用と思わせない、洒落たデザインとスタイル。
それでいてライディングジャケットとして必要な機能は一通り全て備えているところです。
●残念なポイント
スタイルを追求しすぎているため、着用時には肩や腕が窮屈に感じる。
長時間のライディングには不向き。
今回はクシタニのテキスタイルジャケット、FIN JACKET(フィンジャケット)を紹介しました。
こちらのジャケットはバイクに乗っていない時も普段着のように着られることをコンセプトにしています。
そのため、ライディングジャケットは欲しいと思っているが、モータースポーツ感が苦手な方、
また、それを感じさせず、おしゃれ着のような、より洒落たジャケットをお探しの方にぜひお勧めの一着です。
ちなみに僕のお勧めのカラーはブラックカモフラとブルーカモフラです。
僕がカモフラ好きというわけではなくて、縦にまっすぐのびる革のラインが非常に目立っていいアクセントになるからです。
ブラウンですとせっかくの革のラインが見えづらいですから。
ブラウンは革のの色を変更して欲しかったですね。
クシタニの春夏テキスタイルウェアは大体4月ぐらいに店頭に並びますが、生産数があまり多くないためか、夏前にはほぼ完売してしまいます。
どうしても欲しい方は事前に最寄りのクシタニのショップに連絡して、発売時期を確認して予約するのがベストでしょう。
クシタニでは予約品の試着後のキャンセルも可能なので気楽に予約することができます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。