クシタニ 秋冬ウェア ALOFT JACKET(アロフトジャケット)の紹介!

クシタニから販売されている防寒テキスタイルウェアは全部で6種類ありますが、それらの中で最も防寒性能に優れているのが、このアロフトジャケットです。

値段もクシタニのテキスタイルウェアのラインナップの中で最も高額となっています。

今回はこちらのアロフトジャケットが他のジャケットに比べてどこが優れているのか、

価格に見合った性能が本当にあるのか、を見ていきたいと思います。

ALOFT JACKET(アロフトジャケット)

 <1.アウター>

<2.インナー> 

 <3.カラーリング>
  

ALOFT JACKET(アロフトジャケット)基本情報

■素材:〈表〉ナイロン100%(puラミネーション/初期耐水圧30,000mm以上、透湿性19,000g/㎡/24h)、別布/牛革〈裏〉ポリエステル100%(メッシュ) 《インナー》〈表〉ナイロン100%〈中綿〉ダウン70%,フェザー30%〈裏〉ポリエステル100%

■仕様:プロテクターパッド別売り

■カラー:①ブラック②グレー

■サイズ:M、L、LL、XL

■価格:59,000円(+税)

=====メーカー説明=====

3シーズン、オールウェザーに対応できるインナー脱着式のミドル丈防水ジャケット。微光沢のあるヘリンボーン素材にデザインテープを施し、クラス感のある一着に。単体でも着用可能なインナーの中綿には、ダウンとフェザーを使っています。

出典:KUSHITANI OFFICIAL HP

クシタニの秋冬用ライディングジャケットのフラグシップモデル

●クシタニの秋冬用防寒ジャケットの中で最も高性能

 このアロフトジャケットはクシタニの秋冬用防寒ジャケットのラインナップの中で最も防寒性能に優れていると位置付けられています。

クシタニはこのアロフトジャケットのほかに、

・アキュートジャケット

・アドーレジャケット

クシタニの防寒ウェアは優れているものが多く、人気商品がたくさんあります。今回はその中でも2018年の秋冬に新作として発売され一躍人気商品となったADORE JACKET(アドーレジャケット)を紹介したいと思います。

・ウィンターウィルジャケット

・アニフェスジャケット

・ウィンターチームジャケット

の5種類がラインナップされています。

アロフトジャケットはそれらのジャケットに比べて、どこがすぐれているのでしょうか。

ALOFT JACKET(アロフトジャケット)の防水透湿性能

●優れた耐水圧

このジャケットの耐水圧は30,000 mmです。オールウェザー(全天候型)といっても差し支えない数値を有しています。普通の雨の中で使用するのであればレインウェアは必要ないですね。

ほかのクシタニの防寒ジャケットの耐水圧は10,000 mmなので、(※アニフェスジャケットのみ耐水圧性能を有していません)普通の雨の中を低速で短時間走ることができる程度の性能しか有していません。

しかしアロフトジャケットであれば、結構飛ばして走っても防水性能を発揮できる数値です。急な雨も気にすることなく走行を続けることができます。

特に冬場のライディングは体感温度がかなり低くなるので、急な雨で浸水を許してしまうと急激に体温を奪われてしまい、最悪の場合低体温症になってしまう場合もあります。

例えば急な雨でも高速道路を走っていた場合は、速度も落とすことも難しいですし、走っている場所によってはしばらく止まることができません。そんな状況でも雨水の侵入を許さない優れた防水性能というのは、同時にすぐれた防寒性能と言い換えることもできるのです。

※ちなみに、バイクウェアの防水生地については以前僕が書いた記事があるので、お時間があればこちらも読んでみてください。

参考記事:バイクウェア 防水機能について バイクウェアに必要な耐水圧は?

但しスピードを上げすぎるとこのアロフトジャケットでも浸水を許してしまうので注意が必要です。耐水圧30,000 mmというのは優れた数値ですが、万全ではありません。ゴアテックスなら耐水圧45,000mmあるのでさらに安心なんですけどね。

余談ですが、クシタニにも少し前まではゴアテックスオールウェザージャケットというゴアテックスを使用したジャケットがありました。

現在ではクシタニのラインナップにはゴアテックスを使用した製品はありません。

どうやらコスト的な問題ではなくて、ゴアテックスを卸している会社(ゴア社か中間卸業者かは分かりません)がゴアテックスを少量しか扱わない会社にはゴアテックスを卸すのをやめたそうです。

防水生地において最も優れた素材が使用できなくなってしまったというのは残念ですね。

●透湿性も優れている

このジャケットの透湿性は19,000 g/㎡/24 hあります。

透湿性とは簡単に説明すると、衣服内の水滴にならない汗、つまり蒸気の状態の汗を、生地が衣服内から外側へ透過させる度合いの性能です。生地1 ㎡あたり、24時間で何gの水分を透過するかで表示されています。

つまりこのアロフトジャケットは24時間で1 ㎡あたりにつき、19,000 g(19 Kg)の水蒸気を透過する能力があるということですね。

では一般的な発汗量の目安を見てみましょう。(体質や季節によって数値は少し異なってきますので注意してください)

・発汗量の目安

●大人安静時:約1,200 g/ 1 ㎡/24 h

●軽い運動時:約12,000 g/1 ㎡/24 h

●スポーツなどの激しい運動時:約24,000 g/1 ㎡/1 h

バイクウェアを着ていて激しい運動をすることは殆どないと思うので、目安となるのは軽い運動時の数値でしょう。

アロフトジャケットの数値は19,000 g/㎡/24 hですので、目安の数値の1.6倍あります。

ライディング時やバイクを降りて歩く程度の運動量においては、アロフトジャケットの透湿性は十分すぎる性能です。

このレベルであれば当然個人差はありますが、蒸れを感じることはあまりないでしょう。

ALOFT JACKET(アロフトジャケット)のインナージャケットはダウンジャケット

●インナーはダウンジャケット 優れた保温性を持ちながら軽量

アロフトジャケットのインナーはクシタニの防寒テキスタイルウェアの中で唯一のダウンジャケットです。(2018年次点)

(2019年の秋冬モデルからウィンターウィルジャケットにもダウンジャケットが採用されています)

他のジャケットはダウンライク、つまり化繊(化学繊維:シンサレート)を使用しています。

羽毛の割合はダウン70%,フェザー30%です。

インナージャケットとしての見た目と保温力ほぼ全く同じですが、中綿の量が異なっており、化繊インナーの方が中綿の封入量が多いです。

そのため両者を着てみると化繊インナーの方が着ぶくれ感があります。

保温力はほぼ同じだそうなのですが、着た瞬間からの体感的な暖かさはダウンジャケットの方が上回っているそうです。

 そしてダウンジャケットのメリットとしてもう一つ大きいのが、その収納性でしょう。

両者見た目、保温力共にほぼ同じですが、収納性は圧倒的にダウンジャケット方が優れています。

ダウンジャケットは化繊ジャケットに比べて半分程度の大きさまで圧縮することが可能です。ですので、朝夜と昼間で寒暖差が激しいときに、手軽にバッグに収納することができ、結果温度調整がしやすいです。

アロフトジャケットに採用されているインナーダウンジャケット、グレーダックダウンミッドの紹介はこちら!

2019年からラインアップに追加された防寒インナージャケットのモデルのうちの1つです。 もともとは、ALOFT JACKET(アロフトジャケット)の付属インナージャケットでした。 今回はGRAY DUCK DOWN MID(グレーダックダウンミッド)のインナージャケットとしての性能を掘り下げていきたいと思います。

●ストームガードやベンチレーションが付き、使い勝手も素晴らしい!

ストームガード、ウエスト調整ベルト、サムホールといったより熱を逃がしにくくする機能が付いています。

特にストームガードは走行中に下から巻き込む風がウェア内に侵入するのをシャットアウトしてくれるので、これがあるだけで走行中のウェア内の温度低下を大きく抑えることができます。

・ストームガードをつけた状態(黒色でわかりづらいですが、腹部にボタン二つでとめられています)

また、このジャケットには二の腕部に空気を取り入れるインテーク、背中に空気を排出するダクトもついていますので、状況に応じてウェア内の温度調整が可能となっています。

・二の腕部のインテーク

・背中のエアーダクト

ALOFT JACKET(アロフトジャケット)の問題点

バイクウェアとしての機能の問題点は特にないですね。防水性・透湿性・保温性に非常に優れており、それでいてアウターの生地は薄く、柔らかく、ある程度は伸びて、着心地も優れています。

さらにインテークとダクトも備えており、寒暖差への対応も万全です。

さすがクシタニの防寒テキスタイルウェアのフラグシップに位置するジャケットなだけあります。

一つ問題点として挙げると、このジャケットの防水性と透湿性はPUラミネーションによるものだということです。

当然加水分解からは逃れることはできず、このジャケットの防水性と透湿性は2~3年で寿命を迎えることとなります。

それにも関わらず、価格は59,000円(+税) 消費税8%で63,720円です。

クシタニの防寒テキスタイルモデルの中では最もハイパフォーマンスですが、一方でコストパフォーマンスは最も低い部類でしょう。

ゴアテックスが使用できなくなったのでPUラミネーションに頼るのは仕方ないとも言えますが、今後は耐久性の高い素材の開発及び使用を期待したいところです。

ALOFT JACKET (アロフトジャケット)まとめ

●イチオシポイント!

・ゴアテックスには及ばないが非常に優れた耐水圧性と透湿性。レインウェアいらず。

・インナージャケットが非常に高性能で、これだけでも普段使いできる

●残念なポイント

・防水透湿性がPUラミネーションによるものなので、当然加水分解による劣化が避けられません。2~3年程度で透湿防水性は無くなると考えた方がよいでしょう。

それにも関わらず、価格は59,000円(+税) 消費税8%で63,720円です。

クシタニのテキスタイルウェアのフラグシップモデルなだけあって、バイクウェアとしては間違いなく超高額の部類です。それにも関わらず2~3年程度で性能が損なわれてしまうのは我々消費者にとっては結構厳しいですね。

今回はクシタニの秋冬防寒ジャケット、ALOFT JACKETを紹介しました。

アロフトジャケットはクシタニの防寒バイクウェアの中で最も防寒性能に優れれたバイクウェアです。それでいてかつデザインにも気が使われており、完成度は非常に高いバイクウェアといえるでしょう。

ネックは価格とPUラミネーションの劣化でしょうか。

バイクウェアとして非常に優れているのは確かなので、上記のデメリットを理解できる方には非常におススメの防寒バイクウェアです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

画像出典元:KUSHITANI 公式HP

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする