最近人気急上昇中のクシタニのバイクウェア。
クシタニの防寒ウェアは優れているものが多く、人気商品がたくさんあります。今回はその中でも2018年の秋冬に新作として発売され一躍人気商品となったADORE JACKET(アドーレジャケット)を紹介したいと思います。
1.ADORE JACKET(アドーレジャケット)
<1.アウター>
<2.インナー>
<3.カラーリング>
基本情報
■素材:〈表〉ポリエステル87%,ポリウレタン13%(puラミネーション/生地初期耐水圧10,000mm以上,透湿性1,000g/㎡/24h)、別布/ナイロン100%〈裏〉ポリエステル100%(メッシュ)、フード裏/綿100% 《インナー》〈表〉ナイロン100%〈中綿〉ポリエステル100%(シンサレート™フェザーレス)〈裏〉ポリエステル100%
■仕様:プロテクターパッド別売り
■カラー:①ブラック②サックス③オレンジ
■サイズ:S、M、L、LL、XL
■重量:2.3 Kg
■価格:43,000円(+税)
=====メーカー説明=====
ストレッチ性のある防風3レイヤー素材を採用したフードスタイルジャケット。立体感のあるスラブ調プリントを施しています。脱着式防寒インナーの中綿には軽く保温性の高いダウンライクを使用。幅広い気候に対応します。走行中は、フードをループに留めてご使用下さい。
クシタニの秋冬用カジュアルライディングジャケット
●クシタニの秋冬用防寒ジャケットの中で最もカジュアル
このアドーレジャケットは2018年秋冬からの新作ジャケットです。クシタニの防寒テキスタイルウェアの中でも特にカジュアル寄りなデザインとなっています。一見しただけではバイクウェアとはわかりませんね。僕も着ていますが、会う人会う人に、「え、これバイクウェアなの?」と驚かれます。ライディング時以外で着ていても全然違和感ないので普段使いにも使用でき、大変便利な一着ですね。
またこのジャケットにはSサイズが用意されているので、小柄な女性の方にも選んでいただけるようになっています。
●よく伸びてやわらかい
アウタージャケットの素材にポリウレタンが多く使用されているため、バイクウェアとは思えないほどに、アウタージャケットは伸縮性に富んでかつ、やわらかいです。着ていて固さや動きにくさによるストレスはほとんど感じないですね。着ぶくれによる圧迫感はわずかに感じますが、冬物なので仕方ないでしょう。
●バイクウェアに見えないのに、しっかりと防風・防寒・防水(撥水)
ずいぶんとカジュアルよりな見た目ですが、バイクウェアとして必要な機能は全て備えており、アウターには防風・防水(撥水)・透湿機能が付いています。
防水(撥水)と書いたのは、耐水圧10,000 mmなので、急な雨の中で短時間走行する程度なら完全な防水機能を発揮できますが、本降りの中長時間走行すると水の侵入を許してしまうからです。
このジャケットはアウターとインナーに分かれており、防寒と保温機能は、インナージャケットが備えています。このインナージャケットがかなり高性能で、着るとすぐに暖かくなり、保温性も抜群で、冬場でも昼間にこのインナージャケットを着て、上からアウターを着て行動するとすぐに汗だくになってしまうぐらいです。
●優れた保温性、まるでダウン -シンサレートフェザーレス-
使用している中綿がシンサレートという高機能中綿素材を使用しています。一般的な中綿と比べて2倍の断熱効果を発揮し、それでいて軽く、また濡れても乾きやすいという特性を持っています。
さらにそのシンサレートをダウンボールのように加工して羽毛の風合いを再現しています。これにより一般的なシート状の中綿と比較して、やわらかい着心地となっており、中綿自体の保温力は変わりませんが、ボール状の方が体に隙間なくフィットするので保温性が向上しています。また、放湿性にも優れています。クシタニではこれをシンサレートフェザーレスと呼んでいます。
●ストームガードやドローコードなど、細やかな配慮もGOOD!
ストームガード、ドローコード、サムホールといったより熱を逃がしにくくする機能が付いています。
特にストームガードは走行中に下から巻き込む風がウェア内に侵入するのをシャットアウトしてくれるので、これがあるだけで走行中のウェア内の温度低下を大きく抑えることができます。
・ストームガードをつけた状態(黒色でわかりづらいですが、腹部にボタン二つでとめられています)
ADORE JACKET(アドーレジャケット)の問題点
ざっとアドーレジャケットの優れた点を紹介してきましたが、このジャケットには、いくつかの問題点もあります。
●サムホールを付けているために袖が余計に長く邪魔になる
インナージャケットにはサムホールという親指を通すことのできる穴が開いており、そこに親指を通すことで手に対する防寒性を高めることができます。そのために袖が少し長くなっています。
・サムホールに親指を通した状態
防寒性を高めるための細かい気配りなのでしょうが、走行時には少し邪魔になります。このサムホールに親指を通した状態でグローブをすることはできません。(できることにはできるのですが、親指の付け根を痛めます)なのでグローブをつけると手のひらを覆うぐらいに長い袖が少し詰まって肘の稼働が窮屈になります。インナージャケットはバイクに乗らない時でも普段使いに十分使えるデザインと性能ですので、そのときのために付けられた機能かもしれませんが正直いらないですね。僕は全く使っていません。穴通す部分の生地が薄く破れそうで怖いですし。
●透湿性が低すぎてすぐに蒸れる
このジャケットは、耐水圧は10,000 mm以上で他の大体のジャケットと同じなのですが、透湿性は1,000 g/㎡/24 hしかなく、クシタニのジャケットの中でもダントツの低さです。透湿性1,000 gというのはハッキリって無いと同じですね。そのせいでこのジャケットは非常に蒸れやすいです。室内で着ながら歩いたりしてるとすぐに汗が噴き出してきます。
なのでこのジャケットを着ていてバイクを降りて店内などに入るときにはアウターを脱ぐかインナーを脱ぎましょう。どちらも着ていると数分で汗だくになってしまいます。さらにそれは室内に限った話ではなくて、冬でも昼時で気温が15°ぐらいあると、まるでサウナのようになってしまいますので、こちらの場合も脱ぎましょう。せっかく保温性に非常に優れたインナージャケットなのにアウターの透湿性が低すぎて使いづらいのは残念です。
●ポリウレタン使い過ぎ
このアドーレジャケット、他ののバイクウェアにはないやわらかさと伸縮性を備えていて大変ストレスフリーで着用できるのですが、そのためにポリウレタンを多用しています。
素材:〈表〉ポリエステル87%,ポリウレタン13%
なんとポリウレタンを1割近くも使用しています。一般的なストレッチジーンズで使用割合は3~5%程度です。
ポリウレタンは加水分解という現象を起こすため、製造時から2~3年で劣化します。
この商品の価格は43,000円(+税)です。消費税8%で46,440円です。バイクウェアウェアというものは比較的高額ですが、これはその中でもさらに高額な部類に入るほうです。
そんな高額ウェアが2~3年で劣化してしまうのは、我々庶民にとっては中々厳しいですね。せっかくいいデザインなのに長く使えないのも残念です。そしてその劣化具合も、経年劣化と思える程度の劣化ならまあいいのですが、いかんせん1割近くもポリウレタンを使用していると劣化したときの劣化具合が少し怖いですね。またこのジャケットの透湿防水性もポリウレタンコーティングによるものですので、2~3年で透湿防水性も消えてしまいます。
●なぜばら売りしない
このアドーレジャケットはアウタージャケットとインナージャケットの2種類で一つのジャケットを構成しており、襟の裏と両袖部に付いている3箇所の留め具(通称クシタニコネクション)で一体化されています。
このクシタニコネクションは、ほぼすべてのクシタニのテキスタイルウェアに採用されていて、インナーとアウターの互換性があります。なのでアドーレジャケットのインナージャケットは、ほかのウェアのインナーとしても使用することができるのです。
しかしながら防寒ウェアは全てアウターとインナーのセットで販売されています。そのうち、インナー脱着式の防寒ウェアではアロフトジャケット以外のすべてのジャケットのインナージャケットは共通です。
なので他の防寒ジャケットを別に購入する場合は、インナージャケットがだぶることになります。そして次の年に新作が出て購入する場合も、インナージャケットがさらにだぶることになります。
さらにアウタージャケットの防水透湿機能はPUコーティング(ポリウレタンコーティングによって付与されており、製造から2~3年で機能が失われてしまいます)。つまりインナーはまだ全然使えるのに、アウターはもう使えないという事態が発生するのです。
購入する側としては非常にコスパが悪いですよね。せっかく共通の互換システムを採用しているのですから防寒ウェアもアウターとインナーでばら売りにしてほしいものです。
ADORE JACKET (アドーレジャケット)まとめ
●イチオシポイント!
・カジュアルな外見。バイクウェアを着たまま街中に入っていける。
・インナージャケットが非常に高性能で、これだけでも普段使いできる
●残念なポイント
・透湿性が低すぎて、蒸れやすい。
・ポリウレタンを1割以上使用しているので劣化したときの劣化具合が心配
今回はクシタニの秋冬新作ジャケット、ADORE JACKETを紹介しました。
アドーレジャケットはクシタニの防寒バイクウェアの中で最もカジュアルなデザインです。バイクウェアとしての機能性も欲しいけどデザインを優先したいという方にはおススメです。機能的には少し不足する部分もありますが、バイクウェアを着たまま気兼ねなく街中に入っていけるというのは気楽でいいものです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
画像出典元:KUSHITANI 公式HP