本日はクシタニで販売されているアウトドライアデプトグローブとアウトドライブラストグローブの違いについてチェックしていきたいと思います。
この2つのグローブ、値段が一緒でどちらがを購入すれば良いか分かりにくいんですよね。
なのでこの2つのグローブの違いについてまとめてみました。
ではまず、それぞれのグローブの基本的な情報について説明させていただきますね。
1.アウトドライアデプトグローブ(OUT DRY ADEPT GLOVES)
基本情報
■素材:〈表〉ゴートスキン、ポリエステル87%,ポリウレタン13%、撥水牛革〈ライナー〉アウトドライ®メンブレン〈中綿/甲部〉シンサレート〈裏〉甲部/ポリエステル100%(フリース)、掌部/ポリエステル100%〈プロテクター〉ウレタンスポンジ
■カラー:①ブラック②ブラウン
■サイズ:M、L、LL、XL
■価格:18,000円(+税)
メーカーHP 説明
アウトドライ®テクノロジー採用のレザー&テキスタイルコンビモデル。伸縮性のあるソフトシェルを組み合わせ運動性を確保、グリップした際もメンブレンが動きにくく操作性良く仕上がっています。人差し指と親指指先にスマートフォン対応の電導皮革を採用。
このアウトドライアデプトグローブのアウターシェル(外甲)にはスラブ調プリントが施されており、ストレッチ素材が使用され伸縮性に富んでいます。これはアドーレジャケットという冬用防寒ジャケットと同一の構成で、下のアドーレジャケットの画像を見て頂くと分かるのですが、ペアになるようにデザインされています。
●アドーレジャケットとアウトドライアデプトグローブのデザイン比較
スラブ調プリントが全く一緒のパターンですね。画像ではわかりませんが、アウターシェルに使用されている素材も一緒なのです。
ちなみにアデプト(adept)の意味は【名】熟練者、名人【形】熟練した、巧みな、という意味です。グローブの機能との関連性はわからないですね。
2.アウトドライブラストグローブ(OUT DRY BLAST GLOVES)
基本情報
■素材:〈表〉ナイロン100%、ゴートスキン、撥水牛革〈ライナー〉アウトドライ®メンブレン〈中綿/甲部〉シンサレート〈裏〉甲部/ポリエステル100%(フリース)、掌部/ポリエステル100%〈プロテクター〉ウレタンスポンジ
■カラー:①ブラック②グレー
■サイズ:M、L、LL、XL
■価格:18,000円(+税)
メーカーHP 説明
アウトドライ®テクノロジー採用のテキスタイルモデル。ヘリンボーン素材にロゴをあしらっています。指マチ部に伸縮素材を使用し運動性を確保、グリップした際もメンブレンが動きにくく操作性良く仕上がっています。風の侵入をガードする手首ストームガードのドローコードは、片手で操作が可能です。人差し指と親指指先にスマートフォン対応の電導皮革を採用。
このアウトドライブラストグローブのアウターシェル(外甲)にはヘリンボーン素材が採用されています。これはアロフトジャケットという冬用防寒ジャケットのメイン素材と同一の素材で、下のアロフトジャケットの画像を見て頂くと分かるのですが、ペアになるようにデザインされています。
●アロフトジャケットとアウトドライブラストグローブのデザイン比較
並べてみると、ヘリンボーン素材の感じについては画像ではわかりにくいですが、2つのものが同系統の色とデザインなのがわかりますね。
ちなみにブラスト(blast)の意味は突風、爆発、爆風、といった意味です。こちらについてもグローブの機能との関連性はわからないです。
3.アウトドライアデプトグローブ(OUT DRY ADEPT GLOVES)とアウトドライブラストグローブ(OUT DRY BLAST GLOVES)の違い
さて、2つのグローブの基本情報をチェックしたところで本題に入ります。
この2つのグローブの違いは何なのか。今回は以下の項目から違いを探っていきます。
1.デザイン性 2.防寒性 3.防護性 4.耐久性
●1.デザイン性
2つのグローブの基本情報を見て頂いているので既にお分かりかと思いますが、
・アウトドライアデプトグローブはアドーレジャケットと対になるデザイン
・アウトドライブラストグローブはアロフトジャケットと対になるデザイン
となっております。ですので、もしあなたがアドーレジャケットかアロフトジャケットのどちらを所持していて、デザインの合致性を重視するのであれば、アドーレジャケットならアウトドライアデプトグローブを
アロフトジャケットならアウトドライブラストグローブを
購入されることをおススメします。
●2.防寒性
基本的な防寒性能についてはどちらも同じです。両方クシタニのグローブのなかで最上級の防寒性能があります。
それぞれの基本情報の素材の項目を見ていただだければ分かるのですが、以下の防寒性に関係する素材はそれぞれ同一の部位に同一の素材が使用されています。
素材:〈ライナー〉アウトドライ®メンブレン〈中綿/甲部〉シンサレート〈裏〉甲部/ポリエステル100%(フリース)、掌部/ポリエステル100%
しかし防寒性に関係する機能で、アウトドライブラストグローブに存在してアウトドライアデプトグローブには存在しない機能が一つあります。
それは手首部分の風の侵入を防ぐストームガードです。
上記の画像を見ると、グローブの手首部分からさらに黒いひだのようなものが付いていて、そこから赤いひも(ドローコード)が伸びているのがわかります。この部分がストームガードです。
グローブをジャケットの裾の上からかぶせて、グローブの端についたドローコードを引っ張ることで、グローブとジャケットを限りなく一体化させて、ジャケットの袖との隙間をなくすことができます。
寒い中長時間ツーリングする場合、これの有ると無いとでは大きな違いが生まれます。走行中に風を受けるとき、グローブとジャケットの袖の隙間からどうしても風が入ってきます。そして徐々に体の体温を奪っていきます。しかしストームガードがあれば隙間から侵入する風を限りなくゼロにすることができます。素晴らしい機能ですね。
一方アウトドライアデプトグローブにはその機能はないので、グローブとジャケットの袖にはどうしても隙間ができてしまいます。グローブの中にジャケットの袖を潜り込ませようとしてもグローブの手首部分がそこまで長くないので、手首を少し動かすだけで袖が飛び出してしまいます。
ですので寒い中長時間ツーリングする場合は、アウトドライブラストグローブの方が防寒性に優れています。
●3.防護性
どちらも手の甲部にはナックルガードとしてウレタンスポンジがついており、ハードプロテクターは付いていません。このウレタンスポンジの防護性がどの程度のものなのか説明がないのでわかりませんが、特に明記無くPORON(ポロン)のような特殊な素材でもない限り、普通に考えればハードプロテクター付きよりも劣るでしょう。なので転倒時の防護性に関しては両グローブ共に不安が残ります。
両グローブの防護性能を比べた場合はほとんど同じといっていいのですが、一応違いはあります。よく見るとアウトドライアデプトグローブの方にのみ、薬指と小指の部分に革の素材が付いています。
※赤丸で囲った部分
このため防護性に関してはわずかにですが、アウトドライアデプトグローブの方が優れているといえるでしょう。
●4.耐久性
さて、この2つのグローブでは表側で使用している素材に決定的な違いがあります。
・アウトドライアデプトグローブ
〈表〉ゴートスキン、ポリエステル87%,ポリウレタン13%、撥水牛革
・アウトドライブラストグローブ
〈表〉ナイロン100%、ゴートスキン、撥水牛革
アウトドライアデプトグローブにのみ表生地にポリウレタンが使用されています。しかも13%と結構な分量です。まあ1割程度だから大したことはないのではないかと思われるかもしれません。
しかしお手元のフィットジーンズやパンツなど伸縮性のある衣類の材質表記を見て頂ければわかるのですが、通常伸縮性を得るためにポリウレタンを使用している場合でも2~3%、多くても7%ぐらいです。
それを鑑みるとアウトドライアデプトグローブは通常の2~3倍の量を使用していることになります。ポリウレタンは加水分解という現象を起こして劣化します。素材自体の寿命は2~3年といわれています。
ですのでアウトドライアデプトグローブを購入される場合は、2~3年程度で劣化すると考えたほうがよさそうですね。コスパがちょっと良くないですね。このグローブの金額は18,000円(消費税込みで19,440円)ですが、この金額ってバイク用グローブとしては、かなり高額な方ですからね。この金額出せば、例えばGOLDWIN(ゴールドウィン)であれば、のゴアテックス素材使用の上級高性能グローブが購入できてお釣りまで帰ってきちゃいます。購入する側としては高額でありながら2~3年で劣化してしまうというのは、かなり残念です。買ったからにはできる限りずっと使用したいという方はアウトドライアデプトグローブの購入は控えたほうがいいかもしれません。
4.どちらを購入するべきか
あなたが何を重視するかによってどちらを購入するべきかが変わってきます。
1.あなたがすでにアドーレジャケットかアロフトジャケットのどちらかを所持していて、それらジャケットとの合致性を求めるのであれば、
アドーレジャケットならアウトドライアデプトグローブを
アロフトジャケットならアウトドライブラストグローブを
購入されることをおススメします。腕から手にかけては走行中に自分でもよく見える部分なので、ここのデザインの統一性に気を使うのは正しいと思います。
2.あなたが防寒性能や耐久性を重視する場合は、ストームガードが付いてポリウレタンを使用していない
アウトドライブラストグローブ
を購入するべきでしょう。特に冬にロングツーリングする場合などはこちらを選択することを強く推奨します。
防護性能に関しては、まあ一応アウトドライアデプトグローブの方が若干優れていますが、大きな違いではないので防護性能でどちらかを選ぶということはしなくてもよいと思います。
いかがだったでしょうか?
今回はアウトドライアデプトグローブとアウトドライブラストグローブの違いについてレポートしました。これらグローブについて気になった場合はまず店頭で試着してみることをおススメします。
最後までご覧いただいてありがとうございました。
画像出典元:KUSHITANI 公式HP